相談内容を拝見しました。
「こんな不動産会社に責任を取らせる方法がありますか？」とのことですが、不動産会社に責任を取らせる場合、相談者様と当該不動産会社との間で管理委託契約など、何らかの契約を結ばれていると思うのですが、一般的にはその契約の「債務不履行」にもとづく損害賠償責任ということになろうかと思います。
そのためには、相談者様と不動産会社がどういった内容の契約を結んでいたか、ということが大事になってくるのではないかと思います。

一般的に「管理委託契約」といっても、契約の内容は様々です。最低限の契約内容でしたら、賃貸借契約の募集と契約や解約、賃借人との業務連絡といった程度でしょうし、それに加えて、週に2回、共用部の清掃、電球の取り換え、退去時の清掃の手配、不具合部分の修復や工事の手配など・・・・契約により、様々かと思います。
それ故、責任を取らせるためにはまずは契約内容を確認される必要があるかと思います。
そして、契約上の債務を果たさず、実際に損害が発生しているのであれば「損害賠償」など、金銭的な責任も問うことができるでしょうし、相談内容に書かれておられる通り、不動産会社のスタッフの教育がされておらず、改善の余地もなく、契約通りに動いてもらえないのであるならば、管理委託契約を解除し、他の管理会社と委託契約を結ぶ、という形でもいいのではないかと思います。

相談内容に書かれている点について
「現状」と契約書に書かれているとのことですが、一般的に契約書では「原状（回復）」という文字を使うことが多いのではないかと思います。相談者様が書かれている通り、「現状」ですと、その時のまま（＝退去時の状態）、という意味になるでしょうし、「原状」という文字ですと、元の状態（＝借りた時の状態）ということになると思います。賃貸の時は「原状回復」という使い方を使うことが多く、売買の時には「現状有姿」という使い方でよく使います。

「１階の家の中はボロボロで、台所の床が腐って抜け、流し、浴室、トイレも清掃では対応できない黒カビだらけでした。」
→これに関しては賃借人の責任ですので、管理会社に責任追及は一切できない、と思います。原状回復の責任（費用負担）は賃借人及び連帯保証人（保証会社）に対してということになろうかと思います。管理会社に清掃やリフォーム業者手配をお願いするのが一般的かと思います。

「保険更新は無し」
→これは厳しいですね。最近の保険には死亡時の対応（金銭的な負担）もしてくれるところもあります。保険更新をしていない責任が管理会社にもあるようでしたら、責任を追及できる可能性はあると思います。

「日常業務でも他の住人からの連絡も大家に伝えるのが遅れます。」
→これに関しては管理会社の問題ですよね。改善されないようでしたら、管理会社を別のところにすべきかと思います。

今回の孤独死に際しても家族が死亡の報告と退去のお知らせに不動産会社にわざわざ足を運んだのに、「退去は１か月前に言われないと違約金が発生します」と言って、家族を怒らせ、話がこじれ始めました。
→これに関しては、一般的な賃貸借契約は1カ月前に退去の告知をすることになっているおり、即時解約だと1か月分の家賃を負担することになるので、契約通りに伝えているのではないかと思います。相続放棄されているようですが、そうでなければ、1か月分の家賃支払いとなるので、（相手方とトラブルになってしまったのは言い方がまずかったのかもしれませんが）相談者様のために伝えたのだと思います。

　相談内容に書かれていることしかわからないですが、「入居者や大家との連絡が遅いこと」に関しては管理会社の問題と思われますが、管理会社を変更する以外の責任追及については、管理会社との契約内容次第かと思います。　金銭的な責任の追及となると、債務不履行にもとづく損害賠償ということになろうかと思いますが、少なくとも相談内容からは実損は発生していないようですので、難しいそうに思います。

回答日：

2023/05/16