今井 雅雄

質問のカテゴリー:費用(初期費用・手数料等)

2022/03/22退去時の補修費用について
現在居住しているマンションは北海道にある平成2年建築のかなり古いものです。
契約から5年が経過しているのですが、この度転勤により退去することとなりました。
契約書をあらためて確認をしていたところ、賃貸契約書の特約事項の中に
・結露等により、カビ等が発生し、室内を汚損した際には、借主が修繕代を支払うものとする。
という旨の記載がありました。

私の方では、結露があれば拭き取る等の基本的な処置は行なっているものの、建物が古いこともあり、どうやっても壁にカビができてしまうため、建物の構造自体にも問題があるのではないかと思います。

この特約によれば退去時に壁の張り替え費用なりを支払うよう求められることになると想定しているのですが、なかなか納得がいきません。
専門家の方々に下記の通り問い合わせさせていただきたいです。

1.ある程度の処置はしていたけど建物の劣化により発生した壁のカビについても修繕費用をこちらで負担をしなくてはならないのでしょうか？

2.この場合の修繕費用については、減価償却による壁の残存価値に見合った割合の費用を当方で負担することでことたりるのでしょうか？
それとも全額をこちらで負担させられるのでしょうか？

ご教授いただけますと大変幸いです。
よろしくお願いします。

2022/03/30株式会社アイトラストの今井と申します。
弊社は札幌の管理会社です。

古い建物ですので断熱性能も低く、構造上の問題は大いに考えられます。
国交省のガイドライン別表１には
「結露を放置したことにより拡大したカビ・シミ」について賃借人が結露が発生しているにもかかわらず、①賃貸人に通知せず、かつ②ふき取るなどの手入れを怠った場合には賃借人の負担と判断される旨、示されています。
「ある程度の処置はしていた」とのことでしたが、実際にカビが発生している以上、善管注意義務違反と指摘される可能性はあります。今回の場合、管理会社などに結露がひどくて対策が追い付かないといった相談をしていれば免責となると考えられます。

２点目のご質問ですが、特約で経過年数等の考慮について特に記載がなければ、おっしゃる通り経過年数に応じた負担割合となります。
カビの程度によりますが、通常はクロス張替え程度で復旧可能です。
クロスの耐用年数は６年です。５年経過とのことですので費用負担は１/６と考えられます。クロスが入居時に張り替えたものでなければ６年以上経過していると考えられますので費用負担はありません。

上記はあくまでガイドラインに則った考え方です。先方が応じてくれるとは限りませんし、敷金を返却してくれない場合、然るべき窓口にご相談ください。
また、例えば消毒などのカビの発生により追加の作業が発生した場合の費用などは賃借人負担になります。
ご参考にしてください。