琉球王国の政治、外交、文化の中心地として威容を誇った首里城は、1945年に沖縄戦で灰燼に帰しましたが、1992年本土復帰20周年を記念して国営公園として復元されました。首里城はかつて琉球国王とその家族が居住する「王宮」であったと同時に、王国統治の行政機関「首里王府」の本部でもありました。また、各地に配置された神女(しんじょ)達を通じて、王国祭祀を運営する宗教上のネットワークの拠点でもあったのです。さらに首里城とその周辺では芸能・音楽が盛んに演じられ、美術・工芸の専門家が数多く活躍していたことから、文化芸術の中心地とも言える場所だったのです。
約450年にわたる琉球王国の歴史は「薩摩の侵略」と「廃藩置県(琉球処分)」という2段階を経て、幕が閉じられました。復元された首里城は、2000年12月には世界遺産に登録されています。