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いえらぶが運営する大家さん相談所は、不動産に関するさまざまな悩みに対して、日々現場の最前線で業務に携わる専門家からのアドバイスを受けることができるサービスです。
相談者は不動産投資をおこなっている大家さんはもちろんのこと、これから不動産投資を始めようとしている方、または現在賃貸住宅にお住まいの入居者の方など、多岐にわたります。
過去の投稿が閲覧できるため、同じような経験をした方の事例などを参考にできる点が最大の魅力です。
今回は賃貸経営に関するエピソードをご紹介いたします。
賃貸経営には収支を確保するための綿密な計画から、客付けや原状回復、修繕、未払い賃料の回収やトラブルの解決など、専門的な知識とスキルが必要です。
今回ご紹介する事例と専門家からのアドバイスが参考になれば幸いです。
賃貸併用住宅の区分登記のメリットやデメリットとは?
初めにご紹介するのはたびずきんさんからの投稿です。
たびずきんさんは、賃貸併用住宅で区分登記することのメリットとデメリットについて質問しています。
これに対してグッドアンサーに選ばれているのが、東京都の「アップシードレジデンシャル」の千葉さんです。
千葉さんは単独登記と区分登記の違いを説明したうえで、賃貸併用住宅での区分登記のメリットとデメリットを説明しています。
区分登記は居住用と賃貸用を別々に登記することから、登記費用が多く必要になる点がデメリットだと述べています。
一方で区分登記は居住用と賃貸用を切り離して売却や相続ができます。
とくに相続では分割の難しい不動産を個別に引き継げることが大きなメリットになると回答しています。
ちなみに、賃貸併用住宅を区分登記するメリットは他にもあります。
それは、住宅ローンと事業用ローンを併用して受けられる点です。
賃貸併用住宅を住宅ローンのみで建築する場合、全体の50%以上が自らの居住用でなければ、対象とはなりません。
しかし区分登記によって居住用では住宅ローンを使い、賃貸用には事業用ローンを使うことで、全体の使用割合を気にすることなく建築可能です。
つまり区分登記を活用することで、賃貸用を多くして企画することもできるわけです。
ただしローン審査はあくまで契約者の与信を見て審査されます。
規模によっては全額の融資が受けられなかったり、頭金の増額が必要になることもあるので注意が必要です。
今回アドバイスをした不動産会社の詳細は下記からご覧いただけます。
耐用年数が過ぎたものの原状回復費用はとれない?
続いてご紹介するのはおおばさんからの質問です。
耐用年数を過ぎた物件の原状回復費用を借主に請求できないのか質問しています。
この投稿に対してグッドアンサーとなっているのが、神奈川県の「SQUARE」の安藤さんです。
安藤さんは国土交通省のガイドラインを引用しながら回答しています。
それによると、内装などは経過年数を考慮することになっていて、賃借人の故意・過失による損耗などがあれば、その復旧費用を負担するとされているとのことです。
さらに耐用年数を超えた内装などであっても、賃借人は善良な管理者として注意をもって使用する義務を負うため、破損や使用不能になった場合、その復旧費用を負担することになっていると述べています。
この問題は安藤さんの回答のとおりで、過去に判例も出ています。
つまり退去後、通常の使用方法の範囲内であれば、原状回復費用を借主が負担することはありません。
しかし借主の故意・過失による損耗等があれば、その復旧費用は借主が負担するとされています。
とはいえその場合でも借主が負担するのは、耐用年数を考慮した割合です。
ただし借主の故意・過失であっても、善管注意義務違反が認められるものに限っては、たとえ耐用年数を超えた内装や設備であっても、その復旧費用は借主が負担しなければなりません。
しかしながら、実際の現場では入居当時から壊れていたとか元から汚れていたなど、借主との間で揉めることがほとんどです。
そのため入居時の現況を書面で残したり、内装を画像や動画で保管しておくなど、トラブルを防ぐ工夫をしておくことをおすすめします。
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修繕積立金の値上がり分を賃料へ転嫁できる?
最後にご紹介するのはぐっちゃんさんの投稿です。
ぐっちゃんさんは所有している分譲マンションの1室を賃貸に出しており、管理組合で決まった修繕積立金の値上がり分を、更新時のタイミングで賃料に転嫁できないか検討しているようです。
この投稿に対しては、群馬県の「Room’s」の村松さんがグッドアンサーとなっています。
修繕積立金は入居者が負担するものではないため、契約書の約款に修繕積立金の値上げがあった場合、賃料も値上げするというピンポイントな条文がないと値上げは難しいとの見解のようです。
そのため、事前に修繕積立金の値上げ分も考慮した賃料を設定しておくよう主張しています。
実際の現場では、賃料などの条件変更の相談は頻繁におこなわれています。
値上げをしたい貸主と、値下げをしてほしい借主との交渉は、いつになってもなくなることはありません。
しかし宅地建物業法は借主を保護するように作られているため、村松さんのいうように単に賃料を値上げするハードルは高いといえます。
そこで一度、契約書の約款に記載されている内容を確認しましょう。
というのも多くの契約書では、設定されている賃料が税制や景気の変動などによって周辺の相場と比較して不相応となった場合、双方協議のうえで改定できると記載されています。
このような文言があれば具体的な根拠を示し、値上げ交渉をすることが可能です。
しかしたとえ契約書に記載がなくても、更新時などのきりの良いタイミングであれば値上げに応じてくれる借主もいますので、状況を見て判断すると良いでしょう。
今回アドバイスをした不動産会社の詳細は下記からご覧いただけます。
・株式会社Room's
まとめ
賃貸経営では収益を確保するための戦略を練り、形にする必要があります。
また将来発生するであろう修繕に備えて資金を積み立てておいたり、トラブルなどに対処するための知識やスキルを蓄えておくことも重要です。
いえらぶ大家さん相談所では賃貸経営に関する知識やノウハウがたくさん蓄積されています。
あなたの物件でなにか困ったことが起きたら、まずは大家さん相談所を覗いてみてください。
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Writer この記事を書いた人
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