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- 処分すべき?不要になった中古住宅に潜むリスクと適切な処分方法とは
目次
さまざまな理由で不要となってしまった中古住宅は維持をするだけでも税金や修繕費用の支払いや管理をするための手間や労力、時間などなどを必要とします。
もし、他に活用方法がないのであれば、無駄な負担から解放されるために、中古住宅の処分を検討すべきです。
この記事では中古住宅の処分を検討している方に向けて、スムーズに処分する方法や所有し続けることで被るリスク、処分に関する注意点などをまとめました。
最適な処分方法を選ぶときの参考になれば幸いです
最適な処分方法は中古住宅の状況で選ぶ
中古住宅を処分する方法はひとつではありません。
それぞれの状況に合わせた処分方法を選ぶようにしましょう。
ここではどういった基準で処分する方法を決めたら良いかを見ていきます。
建物ごと売却する
始めに検討すべきなのは通常の売却です。
取り壊して更地にした方が良いという意見もありますが、リフォームやリノベーションの需要が見込めるので、まずは建物ごと売却することを考えるほうが良いでしょう。
万が一、更地にしてから、売却まで時間が掛かり、年を越えてしまうと固定資産税の軽減税率を使えなくなるため、却って税金の支払い額が増えてしまう恐れがあります。
しかし、耐用年数を超えてくると住宅ローンを良い条件で受けることができない場合や、そもそも問い合わせも入らず、売却まで時間がかかってしまうこともあります。
そのため、通常の売却は、中古住宅のなかでも立地が良い、築浅などある程度、需要が見込める物件に向く、処分方法です。
即時売却可能な業者買取
立地が悪かったり、築古、早く現金化したい、メンテナンスをあまりしてこなかったなど、売却において、何かしらの不安を抱える中古住宅は業者買取りを検討すると良いでしょう。
業者買取の場合、取引相手が不動産業者となるため、売主は契約不適合責任を負う必要がありません。
また、買取のため、仲介手数料が不要ですし、通常の売却に比べ、決済までの時間を大幅に短縮することが可能です。
しかし、その反面、市場の相場よりも2~3割ほど安い金額での決済となる点は事前に留意しておく必要があります。
一括査定際となどもありますので、参考にしてみてください。
⇒https://www.ielove.co.jp/owner/sell/purchase/
寄付するという方法もある
とはいえ、買取り業者がすべての物件を無条件に買い取ってくれる訳ではありません。
買取業者は買い取った不動産を建替えたり、リノベーションしたりすることで付加価値を付け再販することを目的としています。
そのため、条件に合わない、再建築不可、底地などの場合は買取してもらえないこともあります。
しかし、そういった場合は寄付という方法を選ぶことも視野に入れておくと良いでしょう。
たとえば、近隣で生活する方々のなかには、家の敷地を広くしたいとか、会社の近くに住みたい、駐車場として使いたいなど、隠れたニーズがあります。
そういったニーズは表面化している訳ではないため、熱量が高くありませんが、無償で良いということであれば、引き取りたいという方が見つかるかも知れません。
しかしこれはあくまで最終手段です。
売却しても買い手が現れないし、買い取っても貰えず、無駄な税金や修繕費用を支払い続けるくらいであれば、寄付するという方法は有効です。
不要な中古住宅を所有し続けることで被るリスク
入居者を失った住宅は急激に劣化が進んでいきます。
そのため、中古住宅の維持には相応の費用の支払いと手間や時間を掛ける覚悟をしなけれなりません。
もし、それらがうまくいかなくなってしまうと、予想もしない損害を被ることもあります。
ここでは不要な中古住宅を所有し続けるリスクについて見ていきます。
管理不足によるリスク
住宅を構成するさまざまな部材は使用しなくなると急激に劣化が進行することがあります。
たとえば、水回りです。
給水や排水設備は水を流すことでカビや汚れを洗い流すため、使わない期間がしばらく続くと、カビや錆などによって、悪臭を発生さることがあります。
また、カビは、室内の空気は停滞したり、日当たりが良くなくても発生してしまうので、定期的な換気が重要です。
また、外部にも注意を払わなければなりません。
建物の外壁や屋根などは定期的な修繕を実施しなければひび割れなどが広がり漏水の原因となります。
それが、台風や強風、大雨などにより受けた損傷だった場合はその被害が増します。
庭などがある場合は植栽や雑草の手入れも必要です。
これらは住宅のみならず隣家や近隣住民に対して迷惑を掛けることになるのでとくに注意が必要です。
こういった管理不備がおきると売却や買取どちらの場合でも修繕費用や撤去費用などの名目で減額請求を受けたり、そもそも売れない理由になる可能性があるので気を付けるようにしましょう。
税金の支払いが必要
当然のことながら、不要となった中古住宅でも所有している限りは、ずっと税金の支払いが必要です。
利益を生み出すことのない住宅の固定資産税や都市計画税の支払いを続けなければならないことはやはりリスクと言わざるを得ません。
特定空き家の指定を受けるリスク
特定空き家とは適切な管理がおおなわれていないことが原因で、劣化により倒壊するなど保安上の問題や、ゴミが山積しているなど衛生上の問題、著しく景観を損ねるなどの理由から自治体が指定するものです。
特定空き家に指定されると助言や指導など段階的に自治体の指摘を受けることとなります。
そして、勧告を受けると、固定資産税の軽減税率の適用を受けることができなくなり、税金の支払い額が大きく跳ね上がってしまうリスクがあります。
中古住宅を処分するときの注意点
不要になった中古住宅は早めに処分することが大切ですが、処分にあたっては事前に注意をしておくべきこともあります。
ここでは注意しなければならない点について見ていきます。
相続放棄できないかを考える
中古住宅を処分する理由が相続だった場合、相続自体を放棄するという方法もあります。
一般的に相続の場合、早期売却を希望する方が多く、業者買取を選択することが多いです。
しかし、故人の資産と負債とをどちらも引き継ぐことが相続ですので、資産総額もしくは負債の額によっては、たとえ、買取をしてもらったとしても、支払い額の方が多くなってしまう場合があります。
そのため、資産や負債の全容や支払うことになる相続税については事前によく調べておくようにしましょう。
売却までに室内を空にしておく
中古物件の売却においては室内を空にして、何もない状態で売却するようにしましょう。
なぜなら、家具や家電、生活用品などをそのままにしておくと、内見が入っても買い手に対しての印象が良くないですし、不要品の撤去・処分費の名目で減額請求されるきっかけとなりかねません。
また、外回りの植栽剪定や雑草の処理も重要です。
手間ですが、大きく印象が変わる部分なので、注意しておくようにしましょう。
契約不適合責任に該当する箇所の有無を確認する
通常売却をおこなう場合、売主は契約不適合責任を負います。
これは、引き渡された目的物の種類や品質、数量が契約内容に合致しないことを指します。
契約時に範囲を定めることなりますが、万が一、引き渡し後に雨漏りやシロアリの被害、埋設物や土壌汚染などが発見されることになると大きな被害を被ることとなります。
そういったリスクを軽減するためにも事前にホームインスペクションを実施するなど対策を講じると良いでしょう。
まとめ
中古住宅の処分に関しては、さまざまな背景があるので、その背景に合わせた方法を選択することが重要です。
しかし、いずれの方法を選択するにせよ、早めに対応することが良い結果をもたらすことに繋がります。
中古住宅の多くは耐用年数を過ぎ、各所に不具合を抱えた状態になって、処分を検討されがちです。
そのため、通常売却では買い手がなかなか現れず、処分に時間が掛かってしまうこともよくあります。
さらに税金の支払いや維持管理、契約不適合責任を考慮すると負うリスクの大きさははかり知れません。
そういった場合に、業者買取はリスクを抑えて早期に現金化できるという点で優れています。
あなたの中古住宅の処理がスムーズに進むことを願っております。
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