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- 賃貸借契約における連帯保証人とは?必要な理由や条件について解説!
目次
賃貸物件を借りる際に取り交わす賃貸借契約。
この契約は、一般的に大手法人契約を除き、連帯保証人を立てるか保証会社へ加入することが契約の条件となっています。
ここでは、多くの物件で入居の条件となっている連帯保証人になるために求められる条件と、連帯保証人が必要とされている理由、そして連帯保証人が不要となる場合のメリット・デメリットをまとめています。
連帯保証人に必要な条件とは?なれない人はいるの?
日本の賃貸物件に入居するためには、慣習上、連帯保証人もしくは保証会社の加入を求められる場合がほとんどです。
そのため、これから、連帯保証人を探さなければならなかったり、反対に連帯保証人の依頼を受けたりする機会が訪れることもあるかも知れません。
しかし、連帯保証人は誰もがなれる訳ではありません。
ここでは、連帯保証人になるために必要な条件について、見ていきます。
連帯保証人は親族しかなれないのか?
民法にある連帯保証人制度では、連帯保証人になるための条件や資格などの制限はありません。
しかし、ほとんどの賃貸物件では貸主や不動産会社による入居審査の一環として、条件を設定しています。
貸主や不動産会社が連帯保証人に求める条件には次のようなものがあります。
申し込み者の3親等以内の親族であること
毎月、安定した収入があること
3か月以内に取得した印鑑証明書原本が提出可能なこと
3親等以内の親族であるという条件は、血縁もしくは近親者であることで連絡が付きやすいことや、親族のなかでも深い関係性があることから、貸主サイドはトラブル抑止に期待をしています。
しかし、すでに親族が亡くなっていたり、外国籍の方が申込みをする場合は、学校の先生や会社の上司、友人などでも良いこともあります。
また、いざ、滞納や修繕費用の未払いなどが発生したことを見越して、連帯保証人には月々の安定した収入が必要です。
これは会社員の方などを想定していますが、一定以上の収入が安定してあれば、自営業や個人事業主の方でも問題ありません。
さらに、契約締結時には実印での捺印が必要です。
これは、国内に住民登録がされていることで、しっかりした身分であることが担保されているためです。
ちなみに連帯保証人が住民票を提出することがありません。
なぜなら、住民登録があって初めて印鑑登録がおこなえるものなので、印鑑登録証明処の提出で事足りるからです。
連帯保証人になれない人とは?
連帯保証人の主な役割は契約者の債務、つまり滞納した賃料や不払いとなった修繕費用や原状回復費用を支払うことにあります。
その性質上、いくら契約者と親しい間柄の方だとしても、誰もが連帯保証人となれる訳ではありません。
たとえば、無職の方や安定しない収入のお仕事をされている方です。
これは、いざというときに支払いが滞るのを防ぐためで、日雇い労働者や年金収入のみの高齢者の方などが含まれます。
また、当然のことながら反社会的勢力やそれにう類する方も連帯保証人となることはできません。
連帯保証人が必要とされる理由とその責任の重さ
国内にある賃貸物件の多くに連帯保証人や保証会社加入の条件が付されている背景には貸主や不動産会社のリスクに備えたいという思いがあります。
ここでは連帯保証人や保証会社が必要とされる理由とその責任の重さについて触れます。
リスクを最小限に抑えたいという貸主の思惑
連帯保証人や保証会社加入を条件とする最大の理由はリスクの軽減です。
具体的には賃料滞納や必要な費用の不払いの発生を発生させたくないし、起きたとしても損失を抑えたいという貸主の意向があるためです。
実際のところ、不動産会社や貸主で事前審査をいくら綿密におこなったとしても、トラブルにならない契約者だけを選び抜くことは不可能です。
そのため、万が一の場合に備えて、連帯保証人や保証会社の加入を必須とすることで、貸主や不動産会社は安心して新規契約を結ぶことができる訳です。
連帯保証人が負う責任はとても重い
連帯保証人は保証人と比べ、(連帯)する分、とても重たい責任を負うこととなります。
たとえば、連帯保証人には(催告の抗弁権)がありません。
(催告の抗弁権)とは滞納や不払いが発生して、不動産会社から連帯保証人へと請求がおこなわれた場合、まず、契約者へ請求としてほしいと不動産会社で主張することです。
つまり、一度、連帯保証人となってしまった以上、本来、契約者が負うべき債務のすべてをそのまま引き受ける事となってしまいます。
また、連帯保証人には(検索の抗弁権もありません。
(検索の抗弁権とは、先程と同様に滞納や不払いが発生したとしても、契約者に支払う能力がある場合は、そちらを優先して督促や給与の差し押さえなどの手続きを進めてほしいと主張することです。
つまり、連帯保証人は滞納や不払いが発生した時点で、契約者の支払い能力の有無に関わらず、その支払い義務を負うこととなります。
これらのように、連帯保証人はひとたび、滞納や不払いが発生してしまうと、契約者の債務全てを引き受けることになり、契約者の支払い能力に関わらず、相手方の要求通りに支払いに応じる必要があります。
もし、連帯保証人を引き受けるときには、その責任の重さを十分に理解したうえで、決断するようにしましょう。
連帯保証人不要のメリットとデメリット
実は、賃貸借契約における、連帯保証人を必須とする賃貸物件は年々、減少しています。
というのも、昔に比べて核家族化が進み、支払い能力のある連帯保証人を立てることが難しくなったことや、連帯保証人が対象物件から離れたところに住んでいて、有事の際の債権回収に手間や労力が掛かってしまうケースが増えたためです。
その代わりに、保証会社加入を条件とする賃貸物件は年々増加してきています。
ここからは連帯保証人不要(保証会社加入の場合)のメリットとデメリットを見ていきます。
連帯保証人不要の場合のメリット
保証会社に加入することのメリットは入居申し込みから賃貸借契約締結までの手間がほとおんど掛からなくなるという点です。
通常、連帯保証人を立てる場合、親兄弟や叔父(伯父)さん・叔母(伯母)さんへお願いすることとなります。
申し込み時は住所・氏名・生年月日はもちろんのこと、勤務先の情報や勤続年数、年収に至るまで詳細な個人情報が必要となります。
さらに、契約時には実印での捺印が必要なため印鑑登録証明原本の取得が必須となりますが、保証会社に加入することで、頼む方にとっても、頼まれる方にとっても少なくはない、時間や労力を省くことが可能です。
また、加入する保証会社によっては、賃料の支払いをクレジットカードでおこなうことができたり、それに伴い貯まるポイントで継続保証料の支払いができるなど特典があるのもメリットと言えます。
連帯保証人不要の場合のデメリット
保証会社へ加入することの最大のデメリットは金銭的な負担が生じることです。
負担することになる金額は保証会社によって設定が異なります。
初回保証料として、月額総賃料等の約30~100%、それに加え、継続保証料として月額総賃料等の約1~2%/月、もしくは1年ごとに約1万円を負担するケースがほとんどです。
しかし、これらの費用負担は加入する保証会社や審査結果によって変動がありますので、契約前に確認すると良いでしょう。
まとめ
連帯保証人の需要は減少傾向にあります。
そしてそれは今後もますます加速します。
しかし、賃貸借契約における条件はあくまで貸主や不動産会社が賃貸物件の特性やリスクを勘案して設定しています。
もし、どちらかを自由に選択できるのであれば、連帯保証人と保証会社加入の特徴を把握したうえで、最適な方法を選ぶと良いでしょう。
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