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目次
地球温暖化の影響で年々、平均気温が上昇しています。
気象庁によると、最高気温が35℃を超える猛暑日や最低気温が25℃を超える熱帯夜と呼ばれる日は、年を追うごとに右肩上がりで増加しています。
そんな中、熱中症で死に至るケースも増加傾向にあり、暑さへの対策は余談を許さない状況です。
この記事では、どんどん厳しさを増す暑い夏でも自宅で快適に過ごす対策について解説をしていきます。
快適な環境づくりに必要な工夫
毎年の気温上昇が珍しくなくなってきた近年、資源の乏しい日本においては、さらに追い打ちを掛けるように省エネ・節電が声高に叫ばれるようになりました。
そのため、これからの暑さ対策はエアコンのみに頼っているだけでは不十分と言わざるを得ません。
せっかくエアコンを使うのであれば、自宅の中を効率的に冷やす工夫を同時におこなう必要があります。
暑さに対して効果的な対策「断熱」について見ていきましょう。
室温上昇の原因と断熱による対策
最近は、屋外に限らず、自宅にいても熱中症に掛かる方が珍しくなくなってきました。
じわじわと気温上昇を繰り返す気候変動と暑さに鈍感になってしまうことが原因ではありますが、この暑さへの対策を怠ると命に関わる事態に発展する危険性があります。
暑さ対策の基本はいかにして外からの熱の侵入を防ぐか、つまり断熱効果を上げることが重要です。
外からの熱の侵入経路は大きく分けて5つあります。
玄関や窓などの開口部、外壁、屋根、換気扇、床下です。
そのうち、7割以上が玄関や窓などの開口部からの侵入と言われています。
ということは、断熱対策を講じるのであれば、まずは開口部を中心に手を付けていくことが得策と言えます。
外部からの熱の侵入を防ぐ方法はいくつかあります。
たとえば庇を作ったり、窓を簾で覆うことで、直射日光を遮ることです。
さらにサッシやガラスを高性能なものに変えるとその効果は各段に向上します。
ちなみに、直射日光を遮る手段として、遮光カーテンを取り入れることがあります。
しかし、遮光カーテンは日光を室内で遮っているため、光を遮っているだけで、熱の侵入を許てしまっているため、十分な断熱効果を得ることが出来ません。
オーニングや外付けのブラインドを設置すれば日光による熱の侵入を効果的に防ぐことができます。
熱を外に逃がす換気による対策
直射日光を完璧に遮ったとしても、熱の侵入を完全に防ぐことはできません。
そのため、室内に溜まった熱を外に逃がす工夫が必要になってきます。
具体的には玄関や窓を空けて空気の通り道を作ってあげることで、空気の入れ替えをおこないます。
熱を帯びた空気は上に溜まりますので、下から上への空気の流れを作ることができれば、より効果的に熱を外に逃がすことができます。
しかし、風の流れは間取りや近隣との密集具合、天候などの影響を受けてしまうものです。
そんなときは扇風機やサーキュレーターを使って、強制的に熱を外に逃がしてあげましょう。
断熱リフォームの費用相場と緑を活かしたグリーンカーテン
直射日光を遮り、空気の入れ替えをおこなって凌げる暑さにも限界があります。
ここでは、さらに有効な対策方法をご紹介します。
補助金を活用した賢い断熱リフォーム
今の建築基準をもとに建てられた住宅に比べ、昔の建築基準で建てられた築年数の古い住宅の多くは、十分な機能性を備えているとは言えません。
そういった十分な機能性を持たない住宅では、直射日光を遮ったり、空気の通り道を作ってあげるような工夫を凝らしても、大きな効果を上げるのは至難の技です。
しかしそういった古い住宅に対して、国や地方自治体ではCO2対策の一環として断熱リフォームをおこなう際の補助金を用意しています。
具体的には断熱性能の高い高機能なサッシやガラス、断熱材などを使った断熱リフォーム工事を実施した場合に、工事代金の3分の1ほどを補助するというものです。
自治体や補助金の種類によって条件や補助される金額が異なりますので、ご自身に適用される可能性のある制度を調べてみることをおすすめします。
なお、断熱リフォームと言っても、必要な工事の内容は住宅ごとに大きく異なります。
一概には言えませんが、断熱リフォームに掛かる費用相場の目安は延床面積1㎡あたり4,000~10,000円ほどと言われています。
平均的な住宅の延べ床面積は120㎡ほどですので、その場合は約48~120万円ほどの工事代金が掛かる計算になります。
しかし、補助金の対象となる断熱リフォームであれば、そのうち16~40万円ほどは国や地方自治体の恩恵を受けることができます。
また、すぐにまとまったお金が用意できないという場合でも、多くの金融機関ではリフォームローンやフリーローンなどの商品を用意しています。
そういった金融機関に相談にいくのもひとつの選択肢になります。
費用を抑えて快適に過ごすグリーンカーテン
費用を掛けて大がかりなリフォームをおこなうまでもないという方には、グリーンカーテンをおすすめします。
グリーンカーテンとは、熱の侵入してきやすい開口部などに上部からネットをたらし、そこにツルを巻く種類の植物を這わせることで、植物でできた日よけをつくることです。
育てる植物の種類はゴーヤやヘチマ、パッションフルーツなどを選ぶと良いでしょう。
育てるまでに多少の手間と時間が掛かってしまいますが、プランターや種、支柱やネットなど、必要なものをすべて揃えたとしても、数千円程度で済みます。
直射日光を遮ってくれるだけではなく、植物から蒸散する水分の気化熱によって隙間を通る空気の温度を下げてくれる効果もあります。
断熱リフォームほどではありませんが、最低限の対策をおこなうことが可能です。
夏の暑さ対策の最適解!高気密・高断熱の住宅とは?
暑い夏でも快適な環境を守るために有効な、高気密・高断熱の住宅をご紹介します。
そもそも高気密住宅とは、性能の高い建築資材や断熱材、防湿シートや気密テープなどを各所に使用することで、可能な限り隙間を少なくした住宅のことです。
一方、高断熱住宅とは開口部に高機能のサッシやガラスを使用したり、壁や屋根の内外部に十分な性能の断熱材を使用することで外部から受ける影響を限りなく少なくした住宅のことです。
つまり、高気密・高断熱の住宅とは隙間が少なく、熱を遮る効果が高いため、外部からの影響を受けづらく、室内の環境を一定に保つ性能に優れた住宅と言えます。
高気密と高断熱はそれぞれ単体だけではその効果が半減してしまうため、両方ともを取り入れた住宅にすることが大切です。
高気密・高断熱住宅のメリットとデメリット
高気密・高断熱住宅は快適な室内環境を保つことにその効果を発揮します。
外気を遮断し室温の変動を緩やかにするため、エアコンの効きも良くなり結果的に省エネや節電に繋がります。
また、隙間が少ないため防音性が高いこともメリットです。
しかし、一方でデメリットもあります。
外部からの影響を受けづらいということは、反対に室内の状況が悪化しても外気による正常化に期待ができません。
つまり、一度室温が上昇してしまうと、日が落ちた夕方以降でも元の室温に戻るまでに必要以上に時間が掛かってしまいます。
また、隙間の少ない構造ゆえに、水回りで発生する湿気が室内に留まり、カビなどの原因になってしまうこともあります。
高気密・高断熱住宅のデメリットを解決する方法とは?
これらのデメリットは基本的な対策である直射日光の遮断と室内の熱を外に逃がすことで解決します。
そのため、高気密・高断熱住宅には、庇が伸びて日光が直接差し込まないような工夫がされていたり、開口部には高性能なサッシやガラスを採用しています。
また、2003年以降に建築された住宅は改正された建築基準法に基づいて施工されています。
そのなかにはシックハウス症候群対策として、24時間換気設備の設置が義務化されているため、2時間で室内のすべての空気が入れ替わるようになっています。
まとめ
今後も過酷な夏の暑さは繰り返し、襲ってくることになるでしょう。
この暑さは放っておくと、命を脅かすことになりかねない危険なもので、その対策を避けて通ることはできません。
暑さ対策には費用の掛からない安価なものから、大規模なリフォーム工事までさまざまな選択肢が用意されています。
大事なのは各家庭で快適に過ごすために最適な方法を選択することです。
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