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- 不動産鑑定の費用の相場はどのくらい?査定との違いは?まるごと解説
目次
不動産を売却するときによく目にするのが、「不動産鑑定」と「不動産査定」です。
いずれも不動産の価格を算出することであり、一見その意味合いはよく似ているように思いますが、目的や性質は大きく異なるものです。
今回は、不動産鑑定の費用の相場について、鑑定と査定それぞれのメリット・デメリット、また、不動産鑑定が必要なケースなどについてご紹介します。
不動産鑑定の費用の相場とは?
まず、不動産鑑定の費用の相場はどれくらいなのか、解説していきます。
<不動産鑑定とは>
不動産鑑定とは、国家資格である「不動産鑑定士」の資格を持つ者に、不動産の価格を算定してもらうことをいいます。
不動産の価格を見積もることは不動産会社もできますが、「不動産鑑定」は不動産鑑定士の独占業務となっています。
不動産鑑定は、不動産の価格を算定するもっとも信頼のある方法だといわれており、毎年国土交通省により公表される公示地価の価格算定や裁判など公的な場で用いられる価格も、不動産鑑定によって算出されたものです。
<不動産鑑定費用の相場とは>
不動産鑑定士による不動産鑑定の相場は、大体20~30万といわれています。
ただ、鑑定する不動産の種類によっても異なるため、一概にはいえません。
以下が目安になります。
・土地のみ(戸建て住宅):約20万円~
・土地のみ(大規模な土地):約30万円~
・建物のみ(戸建て住宅):約20万円~
・土地と建物:約25万円~
・マンション(一室の所有権):約30万円~
なお、費用を抑えられる鑑定方法として、簡易な不動産鑑定はありますが、これは法的な場面では使えないため注意してください。
<不動産鑑定の費用の決め方>
不動産鑑定の費用の決め方としては、以下の3種類があります。
①報酬基準型
報酬基準型は、物件種別ごとの鑑定報酬表をもとに費用を決めるもので、多くの企業が採用しています。
依頼者としてもどれくらいの金額を支払うのか、事前に把握できるのがメリットです。
②積み上げ型
不動産鑑定の作業をどれだけしたかという作業量を積み上げて、費用を算出するものです。
土地が大きい場合や、鑑定が複雑な場合などに用いられます。
③定額型
物件の種別や、土地の広さなどに関係なく、一律で費用を定めているものです。
物件により作業量は変わってくるため、定額型を採用している不動産鑑定会社はほぼないのが実状です。
不動産鑑定と査定の費用の違い、メリット・デメリットとは?
不動産鑑定と似たものに「不動産査定」があります。
費用はどのように違うか、また、メリット・デメリットについてもお伝えします。
<不動産鑑定と不動産査定の違い>
不動産鑑定は、不動産鑑定士による法的な場面などでも用いられる客観的かつ信頼性が高い不動産価格を算定するもので、有料となっています。
一方、不動産査定は、不動産会社が大まかな売値を算出するもので、基本的に無料のことが多いです。
法的な場面では使わず、あくまで売買契約の参考にする目的で査定されることがほとんどです。
このように、不動産鑑定と不動産査定は、誰がするかだけでなく、性質も異なるのです。
<不動産鑑定のメリット・デメリット>
不動産鑑定のメリット・デメリットを見ていきましょう。
①不動産鑑定のメリット
・信頼度が高く、公的な場面でも使用することができる
・国家資格をもった不動産鑑定士に、最初から最後まで任せられる
②不動産鑑定のデメリット
・鑑定費用が高額である
・鑑定結果が出るまでに時間がかかることがある(通常、数週間ほど)
不動産鑑定は、信頼性が高く公的な場面にも使えるものであるため、その分費用も高額で、鑑定にも時間がかかることが特徴です。
<不動産査定のメリット・デメリット>
①不動産査定のメリット
・無料で査定することができる
・査定結果が出るのが早い(数日ほど)
・査定のハードルが低いことから、複数会社に査定し比較することができる
②不動産査定のデメリット
・正確な査定額を見極めるためには、複数会社にお願いする必要がある
・公的な場面では使えない
不動産査定の良いところは、何といっても無料で気軽に依頼できることです。
「家の売買をもししたらどれくらいの売り値になるか、参考までに知っておきたい」というようなケースでも、無料で手続きも簡単に依頼することができるのです。
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また、売ってしまいたい期日が迫っている場合は、不動産会社に買取をしてもらうのもおすすめです。
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不動産鑑定を受けた方が良いケースとは?
不動産査定は無料で気軽にお願いをすることができますが、場合によっては不動産査定では不可で、不動産鑑定でないといけないケースもあります。
不動産鑑定を受ける必要があるケースをご紹介します。
<遺産相続の分割を決める裁判のとき>
遺産相続の分割の裁判に至るケースでは、相続した不動産の適正価格が求められます。
誰がどの遺産を相続するかなどトラブルにならなければ、裁判に至ることもないので、不動産鑑定の価格を求められることもありません。
ただ、遺産相続の分割で裁判に発展した場合は、不動産鑑定による価格を提示する必要があるので、注意しましょう。
もし遺産相続の分割で揉めて裁判になりそうだなと感じる場合は、なるべく早めに不動産鑑定を依頼するようにしておきましょう。
<不動産の相続税を抑えたいとき>
不動産鑑定の結果を税務署に提出することによって、不動産の相続税を安く抑えることができます。
通常、不動産の相続税は固定資産税評価額や路線価によって評価されます。
しかし、不動産鑑定は、不動産を個別に細かいところまで確認しながら鑑定し、不動産価格を算定するため、通常の算定方法よりも、評価額が安くなります。
その結果、不動産鑑定士による評価額をもとに相続税が決定されるため、相続税も安く抑えられるということになるのです。
<離婚の財産分与のとき>
離婚の財産分与のケースでも、不動産鑑定で適正価格を把握しておく必要があります。
離婚の財産分与では、財産を1:1で分割するため、たとえば片方が1,000万円の不動産を分与される場合は、もう片方は金銭もしくは物品で1,000万円分が与えられることになるのです。
離婚後、トラブルにならないように、離婚の財産分与の場合は不動産鑑定で適正価格を算出しておかなければなりません。
<病院やゴルフ場の売買をするとき>
通常の不動産の売買では、不動産鑑定士による不動産鑑定は必要でありません。
しかし、病院やゴルフ場など、特殊な不動産を売買するときは、その交渉材料として不動産鑑定をすることもあります。
まとめ
以上、不動産鑑定の費用の相場や、不動産鑑定と査定のメリット・デメリット、不動産鑑定が必要な場合などについてお伝えしました。
不動産鑑定は、不動産鑑定士により信頼性の高い価格を出してもらえるものであり、裁判など公的な手続きの場面で使われることが多くあります。
ただ、通常の売買のときに参考程度に売値がどれくらいになるか把握しておきたいという目的であれば、無料の不動産査定で十分ですので、複数の不動産会社に依頼してみましょう。
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Writer この記事を書いた人
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