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- 住宅ローンと不動産投資ローンとは?どちらを先に組めばいい?
目次
住宅ローンと不動産投資ローンの違いをご存じでしょうか。
いずれも実態としては不動産を購入するものですが、目的や借入金額、金利などは変わってきます。
今回は、住宅ローンと不動産投資ローンの違いを述べたうえで、住宅ローンと不動産投資ローンどちらも借入したい場合の順序とメリット・デメリット、そして、不動産投資のために住宅ローンを利用した場合のリスクについて紹介します。
住宅ローンと不動産投資ローンの違いとは
まずは、住宅ローンと不動産投資ローンの概要と違いについて説明します。
<住宅ローンは住宅用、不動産投資ローンは不動産投資用>
住宅ローンと不動産投資ローンは、名前のとおり、その目的が異なります。
住宅ローンは、自らや親族が居住もしくは増改築するために借入をおこなうローンのことをいいます。
一方で不動産投資ローンは、不動産を購入し賃貸するなどで収益を得ることが目的のローンのことです。
つまり、自分や親族の「純粋な居住目的」なのか、「収益を得るための投資目的」なのかによって、利用するローンが異なるのです。
<返済原資が「給与収入」or「家賃」か>
また、ローンを返済する原資も住宅ローンと不動産投資ローンでは異なります。
住宅ローンの場合は、契約者が労働によって得た給与でローンを返済することになります。
一方で、不動産投資ローンは、当該物件により得られると家賃収入でローンを返済します。
賃貸物件をすることで得られる毎月の家賃収入を返済原資とするのです。
<融資金額は、不動産投資の方が高額>
融資金額も、住宅ローンと不動産投資ローンで違いがあります。
住宅ローンの場合は、あくまで返済原資は個人の労働による収入であるため、借り入れをする個人がどれだけの返済能力があるかが争点となります。
一方で、不動産投資の場合は、個人への審査ももちろんありますが、その不動産投資によりどれだけ家賃収入が期待できるかが審査のポイントになります。
また、不動産の収益性だけでなく、これまでの投資物件の運用成果なども考慮されることもあります。
一般的な目安としては、住宅ローンは個人の年収の5~6倍程度、不動産投資の場合は案件によっては年収の10~20倍程度が上限となることもあります。
<融資の金利は、住宅ローンの方が低い>
融資金額は不動産投資の方が高額な一方で、融資の金利については住宅ローンの方が不動産投資ローンよりも低いです。
この金利の違いは、いわゆる「貸し倒れ」のリスクの違いです。
住宅ローンは、個人の給与を返済原資とするものであるため、比較的貸し倒れのリスクは低いと評価できます。
不動産投資ローンは、入居者の未払いや空き室になる可能性もあり、貸し倒れのリスクは高いです。
金融機関としても、リスクが高い案件に対しては金利を高く融資をしますので、不動産投資ローンの方が金利は高くなります。
ただ、不動産投資ローンでも、安定した収益性が認められる場合などは金利が比較的低くなります。
<融資審査の内容は「個人の信用度」or「不動産の収益性」>
また、融資審査の内容も住宅ローンと不動産投資ローンで異なります。
住宅ローンの場合は、返済原資が個人の給与収入ということもあり、融資審査の際に見られるのも、個人の信用度に関するもの。
たとえば、職業、年収、勤続年数、他の借り入れ状況などが挙げられます。
ですが、不動産投資ローンの場合は個人の信用度にくわえて、融資審査においても資産価値や立地、築年数などの「物件の収益性」を確認されます。
住宅ローンと不動産投資ローン、どちらを先に組む?メリット・デメリットをご紹介
続いては、住宅ローンと不動産投資ローンのどちらも組みたいと考えている人のために、どちらから先に組めば良いか、メリット・デメリットをご紹介します。
<不動産投資ローンを先に組むメリット>
まずは、不動産投資のために不動産投資ローンを借り入れし、そのあとに自分の居住用の住宅を住宅ローンで先に購入するパターンです。
①不動産投資に問題なければ、住宅ローンは後からでも組める
不動産投資ローンを先に組むメリットとしては、投資物件が問題なく運営できれば、その後に住宅ローンもスムーズに組むことができるという点です。
住宅ローンの審査内容は、個人の信用度です。
そのなかで他の借り入れ内容についても審査されることになりますが、投資物件が問題なく運営できており、収益が出ておれば、それは収入の一つとみなされ、「借り入れ」だと捉えない金融機関もあります。
②不動産投資で得られた収益で、住宅ローンの借入額を減らせる
先に不動産投資ローンで不動産投資を始め、収益化が実現できていれば、その分自己資金は溜まります。
そして、ある程度自己資金が溜まることで、住宅購入時に住宅ローン借入額を減らせるというメリットがあります。
また、投資用物件を売却することで収益を得て、住宅ローンの返済にあてるという選択もできることもメリットの一つです。
<不動産投資ローンを先に組むデメリット>
逆にデメリットとしては、不動産投資がうまく収益化できないことで、住宅ローンを組めない可能性があるということです。
不動産投資が当初の想定どおりスムーズに進んでいれば、住宅ローンも問題なく組めるのですが、実際始めてみると空き室などうまく家賃収入が得られず、その結果自らが済む住宅を満足に選べなくなるという可能性も出てきます。
<住宅ローンを先に組むメリット>
住宅ローンを先に組むメリットとしては、不動産投資の収益に関わらず、自由に住宅ローンを組める点です。
住宅を探す際、立地や広さ、築年数などを考慮していると、予算が高くなることもよくあることです。
自分が住みたいと思う住宅を購入する際に、不動産投資がうまくいっていないから借入できないというような悪影響を受けないことは大きなメリットです。
<住宅ローンを先に組むデメリット>
一方、住宅ローンを先に組むデメリットとしては、不動産投資ローンを組む際に住宅ローンは単純に「負債」としてみなされるということです。
不動産投資の場合は、スムーズに運営できていれば負債とみなさない金融機関もあるとお伝えしましたが、住宅ローンの場合はそれ単体で収益が見込めるわけではないので「負債」としてみなされ、不動産投資の融資金額に影響を与える恐れがあります。
住宅ローンで不動産を購入し投資に使ったらバレる?不動産投資ローンを使わないとどうなる?
不動産投資をする際に、不動産投資ローンで借り入れすべきところを住宅ローンで借り入れすることは「不正利用」になります。
なぜ使う人がいるのか、きちんと不動産投資ローンを使うべき理由をご紹介します。
<不動産投資で住宅ローンを使う人がいる理由>
なぜ、不動産投資で住宅ローンを使う人がいるのでしょうか。
①住宅ローンは金利が低い
大きな理由としては、住宅ローンは金利が低いことです。
借入額が大きくなるほど金利の影響は大きくなるため、住宅ローンの金利の低さが魅力になるのです。
②住宅ローンは税制面でお得
また、住宅ローンは所得税控除の減税制度があるなど、税制面での優遇があります。
このような理由から、金銭的メリットが大きい住宅ローンを不正利用しようと考える人が現れるのです。
<不正利用がバレたらどうなる?>
不正利用が郵便の不着や不動産会社の全件調査によりバレてしまうこともあります。
その場合、不正利用をしていた人は、借入額の全額一斉返済を求められます。
また、その借入をしていた金融機関は二度と使えないことになります。
まとめ
以上、住宅ローンと不動産投資ローンの違いや、二つを借りる際のメリット・デメリットについてご紹介しました。
そして、不正利用は厳しい処分が待っていますので、本来の性質どおりローンを使うようにしましょう。
「不動産投資の相談一覧」では、不動産投資に関するさまざまな質問と回答を確認することができます。
ご自身にとって、有益な情報がないかをご確認するだけでもおすすめです。
また「大家さん相談所」には、他にもさまざまなお悩みが寄せられています。
引き続きまとめ記事として発信を続けますので、ぜひ今後もご覧ください!
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Writer この記事を書いた人
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