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- 不動産の減価償却とは?計算方法の種類や節税する方法を解説
目次
不動産を所有している場合、毎年、確定申告をおこなうことになります。
今回ご紹介する不動産の減価償却とは、確定申告で必要となる知識の一つです。
とくに減価償却から算出される減価償却費については、これからマイホームやセカンドハウスを購入しようと思っている方や投資用不動産で家賃収入を得ようとお考えの方はもちろん、所有する不動産を売却する場合にもぜひチェックしておきたいキーワードといえます。
不動産にかかわる税金を節税するためにも、まずは減価償却とはどういったものなのか知ることが大切。
減価償却費を算出するための計算方法の種類や実際の計算方法、さらに節税のためのポイントもお伝えしますので、興味のある方はぜひご一読ください。
不動産の減価償却とは?計算方法の種類にはどんなものがある?
減価償却とは、土地以外の建物や車両といった固定資産の価値を年々、減らしていく手続きを指します。
また減価償却によって計上される経費のことを減価償却費と呼び、この費用を確定申告することで必要経費として認められます。
不動産をはじめとする固定資産は年々価値が下がっていくことから、その価値の減少に応じ一定のルールにもとづいて計算することで、毎期の必要経費として計上できるわけですね。
ただし土地については、年数を経ても価値が落ちないという考え方から減価償却をおこなわないのが会計上のルールとなっているため、もしも土地と建物を所有している場合には建物価格に対してのみ減価償却をおこないます。
<減価償却費の計算方法は2種類!定額法・定率法とは?>
不動産などの減価償却の計算方法には、定額法と定率法の2種類があります。
ただし定率法の使用は、平成28年度の税制改正で建物や附属設備、構築物等において使用が廃止されているので、これから物件を購入する場合は①の定額法を用いることになります。
定額法と定率法それぞれの特徴は以下のとおりです。
減価償却費の計算方法の種類①定額法
定額法とは、不動産など固定資産の耐用年数のうち、毎期同じ額の減価償却費を計上する方法です。
耐用年数とは、会計上で使用可能とされる年数のことで、定額法によって計上する減価償却費は毎期同額となります。
定額法による減価償却費の計算方法(1年分)は、以下のとおりです。
・建物価格÷減価償却期間
賃貸用のマンションやアパートなど事業用の不動産の減価償却期間は、税法上定められている法定耐用年数をもとに、築年数によって以下の3つのいずれかで算出します。
・新築の場合
減価償却期間=税法上定められている法定耐用年数
・築年数が法定耐用年数の一部を経過している場合
減価償却期間=(税法上定められている法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%
・築年数が法定耐用年数を超えている場合
減価償却期間=税法上定められている法定耐用年数×20%
減価償却費の計算方法の種類②定率法
定率法とは、不動産などの取得費から減価償却累計額を差し引いた未償却残高に、毎期一定の償却率をかけて減価償却費を算出する方法です。
定率法による減価償却費の計算方法(1年分)は、以下のとおりです。
・未償却残高×定率法の償却率
また定率法には以下の3つがあり、定率法を採用すると定額法よりも資産の価値が早く減少します。
・旧定率法
・200%定率法
・250%定率法
旧定率法の償却率は、耐用年数省令別表第7に記載されている償却率です。
200%定率法は定額法の償却率を2.0倍にした数値を償却率とする方法、250%定率法は平成19年4月1日に採用された新定額法の償却率を2.5倍にした数値を償却率とする方法です。
不動産の減価償却とは?不動産の利用用途別の計算方法
続いて不動産の利用用途によって変わる減価償却の計算方法について見てみましょう。
ちなみに個人で不動産を売却する場合は譲渡所得を計算し、プラスになれば税金が発生、マイナスなら税金は発生しないことになります。
譲渡所得の計算方法は以下のとおりです。
・譲渡価額-取得費-譲渡費用
上記の取得費を求めるためには建物の減価償却計算が必要となり、取得費を求めるための計算式は以下のとおりです。
・土地購入価額+建物購入価額-減価償却費
<事業用不動産の減価償却の計算方法>
賃貸用のマンションやアパートや店舗、倉庫、事務所などに使う事業用不動産の取得費は、青色決算書または収支内訳書に記載された年初未償却残高が基本となります。
ただし、不動産を譲渡した年の1月から譲渡した月まで減価償却費を不動産所得または事業所得の必要経費に算入した場合、その減価償却費を年初未償却残高から控除した金額が取得費となります。
事業用不動産の減価償却方法は取得年月によって変わり、平成19年3月31日以前に取得した資産の減価償却費は旧定額法の償却率を用いて下記の計算式で求めます。
・建物購入価額×0.9×償却率×業務に供された月数÷12
また平成19年4月1日以降に取得した資産の減価償却費は、新定額法の償却率を用いて下記の計算式で求めます。
・建物購入価額×償却率×業務に供された月数÷12
それぞれ業務に供された月数は、1日でも使えば1か月と計算されるため、たとえば3か月と1日の間、業務に使った場合は4か月とします。
<非事業用不動産の減価償却の計算方法>
マイホームや別荘などの建物を指す非事業用不動産の減価償却の計算方法は、以下のとおりです。
・建物購入価額×0.9×償却率×経過年数
上記の経過年数とは築年数ではなく、所有期間を当てはめます。
経過年数は、6か月以上の端数は切り上げて1年と計算、6か月未満の場合は切り捨てて計算します。
不動産の減価償却とは?賢く節税する方法もあわせてチェック!
最後に不動産の減価償却費によって、できる節税方法をチェックしておきましょう。
減価償却費とは、毎年一定の金額を必要経費として所得から差し引くことができるもの。
お金を支払った年以降も必要経費として算入できる減価償却費は、賢く利用することで節税にも貢献してくれます。
<減価償却費で赤字を計上して節税する>
個人で物件を取得した場合にできる節税方法として、実際の支出をともなわない減価償却費で会計上の赤字を作り、給与所得を圧縮することがあげられます。
この方法を用いることで、実際に納める税金を減らすことが可能です。
<税金の支払いを遅らせる>
法人税を節税する際に利用できるのが、課税を繰り延べる方法です。
結果として同じ金額の税金を納めることには変わりありませんが、課税を先送りして節税することで手もとに現金が残り、新たな事業の資金を捻出したり投資資金にしたり、さまざまに活用できるのは大きなポイント。
また物件の売却時期は任意で決められるため、通常は減価償却費を計上して利益を圧縮し、事業が赤字となったときに物件を売却して、売却益と赤字を相殺することで法人税を節税することもできます。
まとめ
今回は減価償却とはどんなものなのかという基礎知識を踏まえ、減価償却費の計算方法や種類、節税する方法をまとめてみました。
不動産を所有している間だけでなく、不動産を売却する場合も減価償却費が重要になってくるようですね。
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Writer この記事を書いた人
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