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- 負動産を富動産に!負動産にしないためにできること
目次
「負動産」という言葉を聞いたことはありますか?
日本では少子高齢化や人口減少が進み、空き家が増加し続けています。
同時に何の利益も生まず、所有しているだけでお金がかかる「負動産」なる不動産も増加傾向にあります。
今回は不動産を所有しているが、どうしたらよいかわからない方に向けて「負動産」を「富動産」に変える対策などをご紹介します。
ぜひチェックしてくださいね。
そもそも「負動産」とは?
不動産は所有しているだけで、利益を生むものだと思っている方はいませんか?
それは大きな間違いです。
不動産は所有しているだけで固定資産税や管理費、維持のための工事費などさまざまな費用がかかります。
活用していない建物や土地からは何の利益も生まないため、文字どおり持っているだけでマイナスとなる「負動産」となります。
このような不動産の多くは親からの相続によって取得したものの、郊外などの交通の便が悪いエリアにあるものが多く、売却も困難というケースも少なくありません。
その結果、そのまま管理されず放置され「空き家」となってしまうのです。
空き家のまま長年放置すると、犯罪に利用されたり不法投棄されたり、最悪の場合は自然災害によって半壊や倒壊の危険性があります。
また、通常はどんなに古い建物でも建っている限り、土地の固定資産税が1/6に軽減される措置がとられていますが、特定空き家に認定されると減免措置が受けられなくなってしまいます。
その結果、土地に対する固定資産税が最大で4.2倍も上昇し、重い負担がのしかかることになるのです。
<空き家率は過去最高に>
5年に一度おこなわれる住宅・土地統計調査で発表された空き家の数は848万9千戸と過去最高となり、全国の住宅の13.6%を占めていることがわかりました。
空き家を都道府県別で見てみると、もっとも高いのは山梨県の21.3%となっており、次いで和歌山県が20.3%、長野県が19.5%、徳島県が19.4%、高知県及び鹿児島県が18.9%となっています。
一方、空き家率がもっとも低いのは埼玉県及び沖縄県の10.2%となっており、次いで東京都が10.6%、神奈川県が10.7%、愛知県が11.2%となっています。
「負動産」を「富動産」にするためには管理が大事
空き家に定期的に行ける距離にある場合、月に1~2回程掃除や換気などをおこなうのが理想的です。
最低限やることとして以下の項目があげられます。
詳しく見ていきましょう。
1.換気をする
空き家に着いたらすべての窓を開け、換気をしましょう。
換気をおこなう目的としては湿気の防止です。
湿気はカビやシロアリを発生させる原因となるため、換気は建物を維持するためにもっとも重要です。
なお、換気が終わったら、防犯のため必ず窓や扉はすべて施錠して帰るようにしてくださいね。
2.通水する
排水口の配管は水が溜まる造りになっており、そこには封水と呼ばれる水が常時溜まる仕組みになっています。
この封水は下水管からにおいの逆流を防ぐ役割があり、封水の水が蒸発してしまうと、空き家に下水管のにおいが立ち込める原因となります。
そこでペットボトルなどに水を用意して、水を流すことで封水を蒸発させないようにしましょう。
3.掃除をする
空き家から道路や隣地にゴミや落ち葉が散乱していると、近隣住民からクレームを受ける可能性があるので、必ずゴミ拾いをしましょう。
また、野生動物のフンなどが散乱していないかチェックするようにしてくださいね。
一度マーキングされてしまうと、繰り返しフン被害を受けるので、フン防止グッズなどを活用して対策することをおすすめします。
ほかにも、家の中に関しては電気を止めていると掃除機などは使用できないので、ホウキやちりとり、ゴミ袋などを空き家に置いておくとよいでしょう。
4.目視確認をする
瓦や雨どい、タイルなどが落下していなか、目視で確認をおこないましょう。
また、地震や台風、大雨などが発生した場合には、必ず翌日には被害がでていないか確認するようにしてくださいね。
<空き家専門の管理会社に管理を依頼する>
遠方に住んでいると、定期的に空き家の管理をおこなうのは難しいですよね。
定期的な管理が困難という方は、空き家専門の管理会社に管理を依頼する方法もあります。
管理費用はかかってしまいますが、所有者に代わって空き家を定期的に巡回し、換気や通水、掃除などをしてくれる便利なサービスですよ。
負動産の解決方法は?
負動産が特定空き家に認定されるには「管理されていない」ことが大きな要因となるので、賃貸物件として貸し出したり売却したりすることを検討してみるとよいでしょう。
ここでは、負動産の解決に役立つ活用方法をご紹介していきます。
<負動産を解決したい!活用方法その①高齢者向け賃貸物件として貸し出す>
高齢化社会にある日本では、高齢者向け住宅の需要は必然的に高くなるものです。
空き家を、高齢者が暮らしやすい住まいにリフォームし賃貸物件として貸し出す方法があります。
高齢者が暮らしやすい住まいの特徴として、手すりを設置したり、段差をなくしたり、転倒防止のために床材を滑りにくいものに変更するなどがあげられます。
また、車イスの方でも快適な暮らしができるよう、廊下は幅広く確保し、ドアは開閉が容易な引き戸にするのも重要です。
ほかにも、高齢者のなかには視力が衰えている方も多く、明るい場所を暗いと感じたり、明るい場所をより明るいと感じたりすることも。
青色や緑色を認識する能力も低下していることもあるため、照明選びは重要です。
<負動産を解決したい!活用方法その②移住者向けに賃貸物件として貸し出す>
近年では、田舎暮らしに対するニーズも高まっており、子どもが小さいうちは自然に囲まれて生活したいなど家族で移住するケースも少なくありません。
農地付きの空き家では、農業を楽しみながら自給自足の生活をする移住者もいますよ。
移住者向けに賃貸物件として貸し出す場合には、「賃主負担DIY型」という賃貸契約がおすすめです。
通常、賃貸物件だと、退去時にもとの状態に戻すという原状回復義務がありますよね。
しかし、この「賃主負担DIY型」の賃貸契約なら、入居者が費用を負担して自由にリフォームをおこなうことが可能で、退去時の原状回復義務もありません。
また、入居前のハウスクリーニングをおこなわずにそのままの状態で貸し出すことができるため、賃主の負担も軽減できる点はメリットだと言えます。
ほかにも、入居者が自分好みにリフォームをすることが可能になることによって、長期の居住が見込め、安定した家賃収入が得られるでしょう。
双方にとってメリットが多い、「賃主負担DIY型」はおすすめの賃貸契約ですよ。
<負動産を解決したい!活用方法その③カフェやギャラリーとして活用する>
古民家なら、その外観を活かしてカフェやギャラリーとして活用する方法もありますよ。
郊外にある空き家なら、都会の騒がしさを忘れられるような落ち着いた雰囲気のカフェがおすすめです。
ギャラリーでは、個展や展覧会を開くことはもちろん、ハンドメイド雑貨、陶芸品などの展示販売会ができるクリエイティブなレンタルスペースとして活用することが可能ですよ。
まとめ
今回は「負動産」についてお伝えしました。
利益を生まない負動産は、早めに対処することをおすすめします。
利益を生むさまざまな活用法で「富動産」に変えられるとよいですね!
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Writer この記事を書いた人
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