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住まいのノウハウ
床下浸水と床上浸水の違いは?知っておきたい火災保険のこと
目次
- ・床下浸水と対処法
- ・床上浸水と対処法
- ・
- ・床下浸水と床上浸水の違いは?水害時の保険とは?
- ・まとめ
4.壁や床を消毒する
床下の作業が完了したら、床や壁についた水や泥を拭き、「塩化ベンザルコニウム」を使って消毒します。
食器や家具は「次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸ソーダ)」を使って消毒しますが、浸水してしまった家具、家電は廃棄になることが多いです。
家具は乾かしてもカビが生えてしまうこともあり、家電は一度浸水してしまうと乾いたあとでも漏電の可能性があるからです。
浸水した家電をどうしても使用したい場合には、専門家に確認してもらってから使用するようにしましょう。
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近年、日本各地で被害をもたらしている「水害」ですが、水害が起こったときにニュースでよく言われている「床下浸水」「床上浸水」の違いをご存知でしょうか。
この記事では床下浸水、床上浸水の違いと、浸水してしまったときの対処法をご紹介します。
また住宅の保険でもある「火災保険」についてもご紹介しております。
いつ起こるかわからない水害に備えて、正しく対処できるように参考にしていただければ幸いです。
床下浸水と対処法
<床下浸水とは?>
「床下浸水」とは簡単に言うと、床上まで浸水していない状態のことです。
国土交通省が発表している「川の防災情報」では、一般家屋の場合浸水深が50cm以下で、大人の膝がつかる程度の高さまでが「床下浸水」とされています。
高さが50cm以下と定義されている理由は、建築基準法で居室の床の高さは、直下の地面から45cm以上に造ることを義務付けられているからです。
したがって一般的な家屋では、床は45cmより高い位置にあるので、50cm以下であれば床下浸水であると考えられます。
<床下浸水の対処法>
床下浸水の場合、床上まで浸水していなくても基礎の部分に水が溜まっているので、必ず排水しなくてはなりません。
溜まった水を放置しておくと、カビの発生や虫がわく原因になり、悪臭がすることもあります。また、基礎が木造の場合には白アリの原因になります。
これらの二次被害を防ぐためにも、浸水後の対処は必ずしておきましょう。
床下浸水したときには大きくわけて3つの作業が必要ですが、作業をするときには、服装にも注意が必要です。
足元:釘などを踏んで怪我をしないように「長靴」を履く。
下半身:長ズボンなどなるべく肌の露出が少ないもの。
上半身:袖のある服を着用し、厚手のゴム手袋をつける。
頭部:ヘルメット、またはタオルなどで頭部を保護し、粉塵を吸い込む可能性があるので、マスクもつけておく。
1.水や泥を排出する
床下収納口から排水ポンプを入れて外に水を排出し、底に泥やゴミが残っている場合には新聞紙などを使って拭き取り、真水で綺麗に洗い流します。
床下収納口がない場合には、畳や床の一部をはがしてから排水します。
2.乾燥させる
排水が完了したら扇風機や送風機などを使って床下内部を乾燥させますが、しっかり乾燥しないとカビの原因になります。
1週間程度乾燥させましょう。
熱風で乾燥させると早く乾くと思いがちですが、断熱材などが縮む可能性があるので、熱風が出るものは使用しないでください。
3.消毒する
乾燥が完了したら、最後に消毒をします。
床下が土の場合は、半分に切ったペットボトルの底に穴を数個あけて「消石灰」を入れ、粉をふるうように地面に撒いて消毒しましょう。
消石灰とは見た目は白い粉の石灰の一種で、グランドにラインを引くのに使われていました。
消石灰は目に入ると失明の恐れがあるので、消石灰を使って消毒するときには、必ずゴーグルなどの目を守るものを装着しておきましょう。
基礎がコンクリートの場合は、「塩化ベンザルコニウム(逆流石けん)」を薄めて雑巾などにふくませ、床拭きをするように消毒します。
塩化ベンザルコニウムとは、医療機関などで使用される消毒材で、細菌を破壊する効果があります。
石けんと呼ばれていますが、泡がたつ普通の石けんや洗剤とは異なります。
塩化ベンザルコニウムを使って消毒するときには、素手で扱うと手荒れの原因になるので、必ずゴム手袋を装着してから消毒しましょう。
消石灰、塩化ベンザルコニウムはどちらもホームセンターで購入することができますが、水災時には自治体で配布していることもあるので、問い合わせてみましょう。
床上浸水と対処法
<床上浸水とは?>
床上浸水とは、家屋のフローリングや床の上まで浸水し、家屋が半壊、倒壊はしていなくても、一時的に住むことが困難な状態のことです。
国土交通省が発表している「川の防災情報」では、一般的な家屋の場合には浸水深が50cm以上で、大人の腰あたりまで水につかる程度の高さが「床上浸水」とされています。
<床上浸水の対処法>
床上浸水したときには大きくわけて4つの作業が必要です。
1.水が引いたあとに、家具や家電、畳などの不要物を外に出す
床拭きをするのに、家具や家電、畳など部屋にあるものをすべて外に出します。
家電のコードを抜くときには漏電の可能性があるので、ブレーカーを切っておきましょう。
2.乾燥は床下浸水のときと同じです。
3.消毒作業は床下浸水のときと同じです。
4.壁や床を消毒する
床下の作業が完了したら、床や壁についた水や泥を拭き、「塩化ベンザルコニウム」を使って消毒します。
食器や家具は「次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸ソーダ)」を使って消毒しますが、浸水してしまった家具、家電は廃棄になることが多いです。
家具は乾かしてもカビが生えてしまうこともあり、家電は一度浸水してしまうと乾いたあとでも漏電の可能性があるからです。
浸水した家電をどうしても使用したい場合には、専門家に確認してもらってから使用するようにしましょう。
床下浸水と床上浸水の違いは?水害時の保険とは?
「水害」とは、台風や豪雨による洪水、高潮、土砂崩れなどによる災害のことです。
このような水害にあったときに心配なのは保険のことですが、「水害保険」単体のものはありません。水害のときに補償されるのは、「火災保険」の特約で「水災補償」と呼ばれ、水害により建物や家財が損害したときに補償を受けられるものですが、補償内容や基準は保険会社によってさまざまです。
<水災の補償内容>
水災補償は「建物のみ」「家財のみ」「建物と家財」の中から選択をしますが、それぞれどんなものが補償されるのか確認していきましょう。
・建物のみ
建物本体と建物がある敷地内に設置しているものや、建物の中にあるキッチンやお風呂、トイレなどの建物の中にあり、動かすことのできないものも建物とみなされるので補償されます。
・家財のみ
建物の中と敷地内にあるテレビや冷蔵庫などの家電、タンスやテーブルなどの家具、敷地にある自転車などの「家財」のみが補償されます。
・建物と家財
上記で説明した建物と家財、両方が補償されます。
<水災の一般的な支払要件>
支払要件は保険会社などによって変わってきますが、一般的な支払要件は以下の2つです。
・「保険価格(建物や家財で損害を受けたものを新しく買い替えるのに必要な金額)」の30%以上の損害をうけた場合
・床上浸水、または地盤から45cmを超える浸水をしたとき
損害額から免責金額(被保険者が自己負担する金額)を引いたものが損害保険金として支払われます。
損害保険金の支払要件の内容を厳しくしたり、支払いの割合を下げたりすることで、水災補償の保険料を下げている補償を扱っている保険会社もあります。
ただしこの場合には、水災にあったときに建物を修復したり、家財を新しく買い替えたりするための、十分な補償を受けられない可能性があります。
家族構成やどの程度の補償を受けたいのかによって、保険を決めるようにしましょう。
<火災保険で注意しておくこと>
1988年の保険自由化により、現在の火災保険にいろいろな特約がついていますが、それまでは水災補償のついていないものが多くを占めていました。
20年以上前に長期の火災保険に加入した人は、水災補償がついていない可能性があるので注意が必要です。
「長期契約したから途中で解約できるのかな」と心配になるかもしれませんが、火災保険は途中解約しても、原則残りの年月分の保険料が還ってきます。
水災が心配な人は、火災保険を見直しておきましょう。
まとめ
この記事では床下浸水と床上浸水の違いと対処法、火災保険についてご紹介しました。
水害時に焦らないように、日ごろから対処法を確認しておくのは大事なことです。
火災保険も家族構成や、持ち物の多さなどによってどこまで補償が必要なのか変わってくるので、生命保険のように定期的な見直しをしておきましょう。
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