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- 不動産売却の相談先はどこにしたら良い?失敗しないための近道とは
目次
不動産売却では大きな金額をやり取りすることが多く、取引に必要な知識の差で損をしてしまうこともあります。
とくに専門的な知識や資格を必要とする査定や鑑定、登記などの手続きは、その違いが顕著にあらわれます。
この記事では不動産売却で損をしないように、必要な手続きごとに相談すべき専門家についてまとめました。
大切な不動産の売却に失敗しないために、参考にしていただければ幸いです。
不動産売却の相談先:不動産会社
餅は餅屋と言うように、不動産売却は不動産の専門家である不動産会社へ相談すべきです。
日頃からたくさんの物件に触れている不動産会社は、不動産取引に慣れています。
最善の売却方法やトラブルへの対処方法など、不動産売却全般に優れた知識と経験を持っているのです。
しかし一口に不動産会社といっても、専門とする分野や強みが異なります。
たとえば仲介はぜずに買取再販のみをおこなう会社もあれば、一戸建ては取り扱わず分譲マンションのみを対象にしている会社もあります。
大切なのは、対象となる物件を扱うことに長けていて、専門的な知識や経験を持ち合わせている不動産会社へ相談することです。
とはいえ希望に見合う不動産会社かどうかは、看板やHPを見ただけで簡単に判断できるものではありません。
そこで不動産売却を検討する方が多く利用するのが査定や口コミです。
査定サイトを経由して査定を依頼することで、専門外の不動産会社から問い合わせを受けることはありません。
併せて口コミを確認しておくことで、評判の悪い不動産会社を避けられるというわけです。
売却方法を検討する
査定サイトを使って売却価格の相場が把握できたら、依頼する不動産会社を選びます。
対象とする不動産の売却に関して専門的な知識を持っている不動産会社であれば、適切な売却方法を提案してくれるはずです。
不動産会社に正式に売却を依頼することが決まると、媒介契約を結ぶことになります。
媒介契約には条件が異なる3つの種類がありますが、依頼される不動産会社がもっとも費用と労力を掛けて本気で売却活動をおこなってくれるのは「専任媒介契約」もしくは「専属専任媒介契約」です。
特別な事情がない限りは売主にとって良い効果がないため、一般媒介契約は避けるようにしましょう。
不動産会社の活用方法
不動産売却を依頼した不動産会社は、専門家の知識を必要とする案件が発生した場合、不動産会社にいるスタッフが相談に乗ってくれたり、専門家を紹介してくれるなどスムーズな手続きをサポートしてくれます。
売却では税理士や不動産鑑定士、土地家屋調査士、測量士、司法書士や建築業者、内装業者など、さまざまな分野の専門家の力を借りることがあります。
対象となる物件の特性に合わせて、不動産会社の担当者へ相談すると良いでしょう。
不動産売却における不動産価値の相談先:不動産鑑定士
不動産の持つ価値を、その土地や建物の特性に合わせた鑑定方法を使うことで、誰に対しても明確に示すことができる書類があります。
それが「不動産鑑定士」によって発行される「不動産鑑定評価書」です。
個人間の売買などではあまり聞き慣れない名前ですが、不動産鑑定評価書とはどういったものでどういった役割があるのでしょうか?
不動産の鑑定が必要なケースとは
査定サイトなどを通じておこなわれる査定は、一般的に過去の成約事例や路線価、近隣類似物件の売り出し条件などをもとに算出されます。
しかし査定額は担当者の経験や肌感覚に左右されることもあり、査定する人やタイミングによって異なる場合があります。
しかし離婚による財産分与や遺産相続、関連会社間での不動産売買など、相手方や税務局に対して不動産価値を明示しなければならない場合は、不動産会社による査定は適切とはいえません。
そのようなときに用いられるのが不動産鑑定士による不動産鑑定です。
不動産鑑定評価書とは
不動産鑑定は対象となる不動産の特性に合わせて、原価法・取引事例比較法・収益還元法のなかから複数の方法を使っておこなわれます。
この鑑定は不動産の鑑定に関する法律に基づきおこなわれる法的行為です。
しかし不動産鑑定はあくまで不動産の価値を明示するための書面作成が目的なので、鑑定結果と実際に取引される価格が同じではない点には注意が必要です。
不動産鑑定士への依頼方法とは
不動産鑑定評価書が必要になった場合は、近くの不動産鑑定士に相談すると良いでしょう。
鑑定や書類作成には約1か月ほどの時間がかかりますが、根拠を示した詳細な書類を作成してくれます。
費用は1件あたり30万円ほどです。
鑑定士事務所ごとに金額が異なるので、いくつか比較してみると良いでしょう。
不動産売却における登記の相談先:司法書士
不動産売却では権利関係の変更に伴う変更登記が必要となります。
具体的には住所変更登記や抵当権抹消登記、所有権移転登記などです。
これらの手続きは当事者間自身でおこなうことも可能ですが、一般的に「司法書士」に依頼することが多いです。
なぜ不動産の登記は司法書士に依頼するのでしょうか?
そもそも不動産登記とは
不動産登記とは、対象となる不動産の情報や権利関係を記した不動産登記簿を新たに作成したり、追記・変更することを指します。
登記簿は甲区と乙区に分かれており、甲区は表題部と呼ばれ、土地や建物の物理的な状況を表す所在や地番、地目、所有者、原因、家屋番号、構造、床面積などが記されています。
一方で乙区は権利部と呼ばれ、所有権や敷地権、賃借権や抵当権など、対象の不動産にたいするさまざまな権利が記載されています。
権利部への登記は義務ではない
不動産登記のうち表題部である甲区は、登記法によって土地が開発されたときや建物を新築したときに必ず登記しなければならないとされています。
一方で権利部の乙区は必ずしも登記する必要はなく、義務ではありません。
しかし一般的に不動産売却があった場合、乙区も登記変更することが一般的です。
これは第三者対抗要件を満たすためで、登記さえしておけば万が一トラブルとなっても法的には登記されている権利が優先され、相手方に主張できるからです。
司法書士への依頼方法とは
一般的な不動産売却では、登記の内容によってその費用をどちらが負担するのかがあらかじめ、決められています。
たとえば所有権移転前の住所変更登記や抵当権抹消登記などは売主負担、所有権変更登記や抵当権設定登記などは買主負担となっています。
これらの変更登記は法務局に足を運べば、当事者同士で手続きをおこなうことが可能です。
しかし取引の公平性や手間を考慮して、仲介する不動産会社が司法書士を用意し、決済の場に立ち会い無事に決済完了したのを見届けてから、必要書類を作成し手続きすることが慣例となっています。
ちなみに住所変更登記には1~2万円、抵当権抹消登記には1~3万円の司法書士費用が必要です。
また登録免許税も別途必要になりますので、事前に金額を確認しておくと良いでしょう。
まとめ
不動産売却では、専門的な知識や資格を必要とする手続きが複数あります。
そのなかには売買の当事者が自ら手続きをすることが可能なものもありますが、すべてを自ら手配するには時間と手間がかかり、トラブルになるリスクもあります。
不動産売却では、手続きがスムーズに進まないと相手方に迷惑を掛けてしまうこともあります。
そのため多少費用が掛かったとしても、不動産会社を通じて手続きをおこなうことでスムーズな取引を優先することが一般的となっています。
不動産売却を思い立ったら、まずは信頼できる不動産会社を選んでから、さまざまな手続きを計画的におこなうようにしましょう。
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Writer この記事を書いた人
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