- いえらぶ不動産コラム>
- 住まいのノウハウ>
- 大家さん相談所に寄せられたサブリースに関する相談まとめ
いえらぶが運営する「大家さん相談所」は不動産に関するさまざまな悩みに対して、日々現場の最前線で業務に携わる専門家からのアドバイスを受けることがサービスです。
不動産投資をおこなっている大家さんはもちろんのこと、これから不動産投資をはじめようとしている方や、現在賃貸物件にお住まいの入居者の方まで、さまざまな方が相談を寄せています。
過去の投稿も閲覧できるため、同じような経験をした方の事例を参考にできる点が最大の魅力です。
ここでは寄せられた質問のなかから「サブリース」に関するいくつかのエピソードを取り上げてご紹介いたします。
いえらぶ大家さん相談所はコチラ
https://www.ielove.co.jp/owner/soudan/
サブリースとマスターリースの違いについて
実際の相談ページはコチラ
https://www.ielove.co.jp/owner/soudan/q_1271/
最初にご紹介するのは、沖縄県のきんじょうさんからの投稿です。
内容は空室保証としてよく聞く「マスターリース」と「サブリース」との違いがわからないとのことです。
この投稿に対してグッドアンサーに選ばれているのが、兵庫県の「株式会社ティーハウス」に勤める寺本さんの回答です。
寺本さんの説明によると、マスターリースとは転貸することを前提に、所有者とサブリース業者との間で交わされる契約を意味するとしています。
そしてサブリースとはマスターリースで借上げた賃料よりも高い賃料で転貸することで利益を得る方法だと続けています。
マスターリースとサブリースの違いは寺本さんの説明するとおりです。
しかしこれらは呼び方が似ているため、混乱を招いたのかも知れません。
マスターリースを借上げ、サブリースを又貸しと読み替えると、理解しやすくなります。
まず又貸し(サブリース)をおこなうことを目的として、所有者とサブリース業者との間で借上げ(マスターリース)の契約を交わす必要があります。
つまり借上げ(マスターリース)の目的かつ手段が、又貸し(サブリース)となる訳です。
ちなみにサブリースは大手のハウスメーカーや不動産会社が、こぞってサービスの提供をしています。
自社施工のアパートを子会社で借上げることで、所有者は空室リスクを負わずに済み、業者側は長期的に収益を得られるという仕組みです。
先ほど借上げや又貸しと読み替えましたが、サービスを提供する業者の広告では「〇〇年間一括借上げ」や「空室保証」という言葉が積極的に使われています。
このサービスでは所有者にとって魅力的なメリットがある一方で、見逃してはいけない大きなデメリットもあります。
たとえば、保証される賃料です。
サブリースでは業者が利益を得るために、相場よりも安い賃料で契約を交わさなければなりません。
しかもその金額がずっと保証され続けることはなく、1年もしくは2年ごとに見直しされることになっています。
これは築年数の経過とともに資産価値が目減りすることを考慮してのことですが、一度減額された保証額は二度と上がることはありません。
そのため本来アパートから得られるはずの賃収から、業者の利益分が割り引かれた金額しか受けとることができないばかりか、空室に悩むことがないため、定期的に検討されるべき需要を維持するための条件設定や設備の更新などの取り組みがおこなわれません。
結果的に近隣の競合物件と比べて競争力のない古いアパートとして取り残される末路を辿ってしまう可能性があります。
最終的には二束三文の保証額でサブリースを継続するか、一般管理に切り替えるかの究極の選択を迫られてしまいます。
そうならないように事前に物件や地域の特性を理解したうえで、しっかり検討するようにしましょう。
今回アドバイスしている不動産会社の情報は下記からご覧いただけます。
・株式会社ティーハウス
https://www.ielove.co.jp/company/co-6056/
修繕費はかかりますか?
実際の相談ページはコチラ
https://www.ielove.co.jp/owner/soudan/q_1000/
続いての相談はサブリースを検討しているしょーきちさんです。
投稿の内容は、サブリース契約中の修繕費や原状回復費は業者の負担になるのかという質問です。
これに対して「株式会社LEGATO」の高橋さんが回答しています。
それによると、退去時の原状回復や清掃費用はサブリース業者が負担して、経年劣化などで設備が故障した場合などは所有者がその費用を負担する契約が一般的とのことです。
さらに「アップシードレジデンシャル」の千葉さんからも同様の回答があります。
つまり物件の価値を維持するための修繕は所有者が費用を負担するもので、故意・過失があれば借主であるサブリース業者が負担することが一般的だということです。
サブリース業者の内情について、少し補足します。
一般的なサブリース事業は、所有者への保証賃料と入居者から受け取る賃料との差額分だけでは採算が合いません。
そのため入居者に対する付帯サービスや原状回復工事などの付随業務から収益を得ようとします。
つまり保険や24時間サポートなどのサービスを斡旋した手数料や、入居者に請求した費用よりも安く原状回復工事をおこなうなどして、生まれた差額などを受け取る仕組みとなっています。
しかし通常の使用方法の範囲内で経年劣化などが原因で設備が故障してしまった場合、当然のことながらその費用を入居者へ請求することはできません。
このような事情から、建物や設備の維持に関わる修繕に関しては所有者が負担する契約内容であることがほとんどです。
しかしこれらの内容は契約ごとに異なるケースもあります。
保証される賃料の金額や免責の期間によっても変動があるので、事前に条件を確認して総合的に判断すると良いでしょう。
今回、アドバイスしている不動産会社の情報は下記からご覧いただけます。
・株式会社LEGATO
・アップシードレジデンシャル株式会社
https://www.ielove.co.jp/company/co-3347/
サブリース管理会社は大手?地元の?
実際の相談ページはコチラ
https://www.ielove.co.jp/owner/soudan/q_1036/
最後はまっきーさんからの投稿をご紹介いたします。
相談の内容は、サブリースを契約するのであれば、広告で認知度の高い大手の管理会社と、地元の管理会社ではどちらが良いかというものです。
それに対して京都府の「センチュリー21メイクス」の野川さんが回答を寄せています。
それによると、大手では支店長や営業マンの転勤によっていつまで相談し続けられるのかという点が心配の種となるが、個人で経営しているような地元の会社では高齢化などによって次世代への引き継ぎがしっかりされるのかという点が心配になってくるようです。
また管理業務は多岐にわたり、繊細なものでもあると述べています。
なぜならすべての業務が入居者との人間関係のうえに成り立っているからです。
たとえば賃料の支払いの有無の確認は毎月一定の時期に繰り返されるもので、入金がなければ督促の書類を送付したり電話をかけるなどして対応します。
物件に不具合が生じれば、修繕の手配や日程調整をおこなわなければなりません。
さらに何かトラブルが発生すると、謝罪をしたり解決策を提示するなど、すべてが入居者相手におこなわるため、繊細なアプローチが必要になるのです。
そのためサブリースを提供する会社がしっかりとした管理業務をおこなえるかどうかは別の問題だと考えるべきです。
アドバイスにもあるように管理業務は物件の所在や支店との距離、担当者の性格や管理体制などを総合的に判断して、サブリースは契約条件を見て判断するのが良い選び方だといえます。
今回、アドバイスしている不動産会社の情報は下記からご覧いただけます。
センチュリー21メイクス
https://www.ielove.co.jp/company/co-2415/
まとめ
賃貸物件の所有者にとって、サブリースは空室に対するリスクヘッジができる便利なサービスです。
その一方で法律では借主保護となっているため、万が一サブリース業者との間でトラブルとなったとしても簡単に退去させることはできず、なかば強制的にサブリース契約を継続せざるを得ないため、大きな損害を被る可能性がある諸刃の剣でもあります。
損害を避けるためには事前にじっくりと検討することが大切ですが、大家さん相談所には同様の相談が数多く寄せられています。
過去の投稿を参考にすることはもちろんのこと、第三者の意見として利害関係のない不動産会社へ相談することで、良いアドバイスが貰えるかも知れません。
困ったときはぜひ、いえらぶの大家さん相談所を活用してみてはいかがでしょうか?
サブリースの相談一覧はコチラ
いえらぶでは物件や不動産会社の口コミを見て比較できます。
よりクリアな情報から、あなたにぴったりの
いい家を選んでみませんか?
「いい家」を探す
Writer この記事を書いた人
- いえらぶコラム編集部
- いえらぶコラム編集部は、皆さまの住まい探しに役立つ知識や、暮らしを豊かにする情報を発信していきます。