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目次
近年は健康志向が流行し、食事や体質改善などに興味を持って取り組む方が多くなりました。
では、家づくりではどの程度、健康志向を意識していますか?
家族みんなが健康で過ごせる家は理想ですよね。
そこで、健康で快適に過ごすことができる家「健康住宅」についてご説明します。
これから家を購入しようと検討されている方々のお役に立てれば幸いです。
健康住宅とはどんな家?
健康住宅には、厳密な定義はありません。
住環境が原因で起こり得る健康被害に対して、化学物質への対応や室内の温度差をなくすなどの対策を考えて造られた住宅のことをいいます。
次に、住環境が原因で起こり得る健康への悪影響と、その対策や工夫についてご説明します。
住環境が原因で起こり得る健康への悪影響
住環境が原因で起こり得る健康への悪影響には、「シックハウス症候群」「風邪、熱中症、冷房病」「ヒートショック」「アレルギー症」などがあります。
それぞれの症状について原因も含めご説明します。
①シックハウス症候群とは?
シックハウス症候群の症状には、頭痛・皮膚の痒みや発疹、鼻水・鼻詰まりといったよくあるアレルギー反応のほか、疲労感や注意力の低下、睡眠障害などもあります。
原因は、建材や接着剤、防腐剤、塗料などに含まれるに含まれる化学物質の揮発だといわれています。
シックハウス症候群を起こさないためには、化学物質をできるだけ使わない素材を選ぶことが大切です。
②アレルギー症
アレルギー症には、結露を原因とするカビ、ダニによる鼻炎、喘息などのアレルギー症状があります。
外気の暑さや寒さを遮断し温度差をなくすことで、結露を防いでカビやダニを減らすことができます。
カビやダニが減ることで、結果的にアレルギー症状を軽減できます。
また、換気設備を使って室内の汚れた空気を定期的に入れ替え、いつでもきれいな空気の中で生活できる環境づくりをすることも大切です。
③風邪、熱中症、冷房病
これらは、室内の温度差や温度変化から起こる体調不良です。
住まいの断熱性と気密性を高め、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるようにして、体への負担を少なくすることが大切です。
④ヒートショックとは?
ヒートショックとは、急激な気温の変化で血圧が上下し、主に心臓や血管などの身体にダメージを受けることによって起こる健康被害のことです。
ヒートショックが起こりやすい場所が浴室、トイレなどです。
高気密・高断熱で室内の温度差をなくし、快適に暮らせる家にすることが大切です。
健康住宅の健康被害への対策や工夫
このような健康被害への対策として、健康住宅では次のような対策や工夫がされています。
・有害物質を含まない天然の素材を使う
・住まいの断熱性、気密性を高めて温度差をなくす
・換気設備を取り付け、適切な換気を行う
このように、健康住宅とは化学物質だけではなく、換気性能や断熱性・気密性も含めて考えられた住宅なのです。
健康住宅を選ぶと得られるメリットとは?
せっかく夢のマイホームを建てても、家族が健康に生活できなければ元も子もありません。
家族の健康を一番に考え、健康住宅を選ぶとどのようなメリットがあるのでしょうか。
健康住宅で得られるメリット
メリット①:綺麗な空気を味わえる
化学物質を含んだ塗料や建材を使用しないことで、自然の中にいるような爽快な空気を味わうことができます。
たとえば漆喰を使う場合、漆喰には一定の温度を保ってくれる性質や消臭をする性質があるので、湿気やにおいが気にならないというメリットがあります。
メリット②:適度な室温を保てる
最近では、ヒートショックによる事故はとても多いといわれています。
健康住宅は断熱性・気密性に優れており、室内の温度が一定に保たれているので、このような病気のリスクを減らすことができます。
メリット③:リラックス効果がある
天然素材や自然素材が多く使用されているおり、木の香りなどが精神の安定、心身のリラックス効果をもたらしてくれます。
メリット④:耐久性に優れている
天然素材のなかには断熱性能が優れているものもあり、季節を問わず室内を適温に保ってくれます。
室温を適温に保つことは、結露の発生など劣化の原因となる湿気を防ぐことにつながります。
湿気を防ぐことは、家の寿命が延び、耐久性が向上するのです。
健康住宅を購入・建築する際の6つのポイントとは?
健康住宅を建てる際には、次の6つのポイントが満たされているか確認しましょう。
ポイント①:天然無垢材の使用
人間には呼吸が欠かせないので、綺麗な空気の中で暮らしていきたいと願うことは当然です。
そこで重要なのが、住宅の素材です。
構造材や下地材、天井、壁、床などの仕上げ材は人体に大きな影響を与えるので、木材はできる限り天然の無垢材を使用しましょう。
ポイント②:自然素材の塗り壁
壁の仕上げ材には調湿効果と消臭効果が高い自然素材の塗り壁が最適です。
もっとも代表的なものが珪藻土です。
珪藻土を塗り壁材として使う場合には、つなぎ材(接着剤)が必要になります。
接着剤にはアクリル系樹脂などの化学合成されたものを使う場合が多いので、接着剤の成分の確認もしっかりおこないましょう。
その他に使える天然素材として漆喰もありますが、漆喰の場合はしっかり固まるまでには時間がかかり、急激に乾燥するとヒビがはいってしまうという欠点があります。
ポイント③:結露を防ぐ木材・塗料の使用
木造住宅にとって湿気は大敵です。
結露の放置は、断熱材や建物の構造躯体にカビや腐食を招いてしまいます。
それだけではなく、建物の耐久性の低下につながり、アレルギー症状を引き起こす原因にもなるのです。
結露防止策として、結露を防ぐ木材や調湿性・防カビ効果が高い塗料を使用することが大切です。
ポイント④:ヒートショックのリスク軽減
家庭内で入浴中に死亡する原因のほとんどが、急激な温度差によるヒートショックだといわれています。
暖房で温められた部屋と、冷たい脱衣室や浴室との温度差を解消することが一番の対策です。
そのもっとも有効な手段となるのが、住宅の高気密・高断熱化です。
健康住宅では住宅の高気密・高断熱化をおこない、ヒートショックリスクを軽減することが必要なのです。
ポイント⑤:換気
健康住宅における重要課題のひとつに「換気」があります。
高気密・高断熱の健康住宅では、換気能力の低下が懸念され、空気の質が悪くなりがちです。
換気能力が低下すると、シックハウス対策、二酸化炭素の排出、においや煙、水蒸気などの排出、結露防止のための湿気の排出などが上手く機能せず、健康住宅のメリットを帳消しにしてしまう恐れがあります。
健康住宅では十分な換気計画を立てることが重要なのです。
ポイント⑥:耐久性・耐震性
地震や台風、豪雪などの自然災害に対する安全性と、将来を見据えた環境にも優しい住宅は、精神的ストレスの軽減につながります。
耐久性や安全性に優れていてストレスが少ないことも、健康住宅の条件といえます。
まとめ
「自分の家を持つ」ということは、誰にとっても夢であり目標でもあります。
その家が、家族全員の健康も支えてくれるのなら、最高に嬉しいですよね。
健康住宅は、そのような願いを叶えてくれる家です。
今回の健康住宅についての情報が、これから家を購入しようとしている方の選択肢のひとつになり、家づくりの参考になれば幸いです。
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