- いえらぶ不動産コラム>
- 住まいのノウハウ>
- 不動産投資に与える地震の影響やリスクは?オーナーが取るべき対策を解説
日本は火山活動が活発で、全世界でも地震の発生頻度が高いことで知られています。
最近も各地で地震が頻発しており「大きな地震の前触れではないか?」と懸念されている方も多いでしょう。
今後起こりうる地震は誰にとっても不安材料ですが、今回はとくに不動産投資している方やこれから不動産投資を始めようとお考えの方に向け、不動産投資における地震の影響やリスク、地震に備える対策について解説します。
地震の多い日本で手堅く不動産投資をおこなうための情報として、また不動産全般の基礎知識としても、ぜひ参考にしてみてください。
今後の不動産投資において見過ごすことのできない地震の影響
日本は全世界の0.25%と少ない国土に対し、マグニチュード6.0以上の地震発生回数は全世界の18.5%となっており、今後も地震が起こるリスクが非常に高い国といえます。
地震が多いことは日本に住んでいれば実感していると思いますが、実際の数字を見るとさらに緊迫した状況であることがわかりますよね。
ここではまず「今後、日本で大きな地震が起こる確率がどれくらいあるのか?」また「もしも大きな地震が起こった場合、不動産オーナーが負う責任は?」といった疑問について確認しておきましょう。
<今後30年以内に日本各地で震度6弱以上の地震が起こる確率とは?>
政府の地震調査委員会が公表している予測地図(2020年版)では、今後30年以内に震度6弱以上の地震が起こる確率は各地域によって以下のような数字となっています。
北海道:根室市80%・浦河町69%・釧路市71%・帯広市23%
関東甲信越:水戸市81%・千葉市62%・さいたま市60%・新宿区(都庁)47%・横浜市38%・甲府市36%
東海:静岡市70%・津市64%・名古屋市46%
近畿:和歌山市68%・奈良市62%・神戸市46%・大阪市30%
中国・四国:岡山市44%・広島市24%・高知市75%・徳島市75%・高松市64%・松山市46%
九州・沖縄:大分市55%・宮崎市43%・那覇市21%
上記にない東北地方では青森市で5%、仙台市で7.6%、秋田市で10%となっていますが、台風で自宅を失う確率が0.4%、火事で自宅などが被害に遭う確率が0.94%であることと比較すると、こちらも決して安心できる数字とはいえません。
<もしも地震が起こったら…不動産オーナーに降りかかる責任とは?>
上記の数字からもわかるとおり、大きな地震はいつ起こっても不思議ではない自然災害ですが、状況によっては不動産オーナーの責任が問われる事態にもなりかねません。
自然災害は不可抗力のため基本的に損害賠償責任が生じることはありません。
しかし、もし不動産の瑕疵や老朽化が原因で第三者に被害を与えた場合、たとえ地震が引き金だったとしても莫大な損害賠償責任を負う可能性があるので要注意です。
たとえば阪神淡路大震災の際、賃貸マンションの1階部分が倒壊して入居者が死亡した事例では、マンションの瑕疵が認められ、不動産オーナーに対して約1億2,900万円の損害賠償責任が命じられています。
不動産投資するうえで知っておくべき地震のリスク
日本は地震が多く、近い将来、大きな地震に見舞われる確率も高いことがわかりました。
ここではさらに具体的に、不動産投資するうえで知っておきたい地震リスクについて見てみましょう。
<地震リスク1.不動産投資での収益が見込めなくなる>
2011年の東日本大震災のような大きな地震でもマンション自体が倒壊することはほとんどありませんでしたが、地震による被害は倒壊だけではありません。
たとえば賃貸として運用している不動産物件の壁にヒビが入ったり、部屋やエントランスのガラスが割れたりといった被害によっては、入居者がそのまま住めなくなることもあります。
そうなると家賃収入が途絶えてしまい、不動産投資の面でも大きなリスク要因となります。
<地震リスク2.不動産修復の費用が掛かる>
上記のような被害があれば、当然、不動産オーナーが修復するための費用を負担することとなります。
被害の状況次第ですが、こちらも場合によっては高額な出費となる可能性は否めません。
<地震リスク3.住宅ローン返済の負担が大きくなる>
不動産投資のために住宅ローンを組んでいる場合は、たとえ大きな地震で被害を受けたとしても返済は続きます。
修復のための費用がかさみ、さらに家賃収入が途絶えるなかの住宅ローン返済は大きな負担となるでしょう。
もしも投資しているマンションなどが倒壊したとしても、住宅ローン残債が免除されることはないため、その負担はますます大きくなります。
<地震リスク4.不動産の価値が下がる>
投資物件に地震の被害があれば、不動産の価値が下がり運用が困難になるうえ、予定どおりの価格で売却することも難しくなります。
被害状況によっては、所有する物件を担保に新たに資金を借り入れることもかなわない恐れがあります。
不動産投資するなら押さえておきたい地震対策
最後に上記のリスクを踏まえ、不動産投資するにあたって押さえておくべき対策を見てみましょう。
自然災害である地震リスクは避けようのないものなので、事前にできる対策でしっかり備えておくことが重要です。
<地震のリスクを抑えるための対策1.新耐震基準を満たした物件を選ぶ>
1978年に発生した宮城県沖地震を機に建築基準法が見直され、1981年、震度6から7の地震が起きても倒壊しない耐震性能として新耐震基準が定められました。
従って1981年以降に建てられたマンションを投資物件として選ぶことで、地震のリスクは大幅に抑えられるでしょう。
ただし1981年以前に建てられたマンションでも、耐震のための改修をおこなっている物件であれば上記と同等の安心感を得られるため、投資物件を選ぶ際は建築年数とともに改修履歴を確認することが大切です。
<地震のリスクを抑えるための対策2.投資エリアを分散する>
投資物件が1件のみであったり、同じエリアに2件あったりする場合、地震が起こったときに被害が大きくなることは必然です。
地震リスクに備えるのであれば、関東と関西、北海道と東海など違うエリアに投資物件を持つことも視野に入れると良いでしょう。
<地震のリスクを抑えるための対策3.地震保険に加入する>
投資物件を購入したら、地震保険に加入するのもおすすめです。
大きな地震の被害は保険会社だけで賄えないこともあるため、政府が補償の一部を負担する再保険で運営している官民一体の制度が地震保険です。
ただし地震保険は火災保険の特約となっているため、単独で加入することはできません。
投資物件のリスク回避を考えれば、火災保険もぜひ加入しておくべき保険なので、補償内容を確認したうえで地震保険とあわせて検討してみてください。
まとめ
今回は不動産投資している方、これから不動産投資を始めようとお考えの方へ、今後のためぜひ知ってほしい情報として地震関連の情報まとめてみました。
日本で不動産投資する場合、地震による影響やリスクは少なからず予想されますが、適切な対策をおこなうことで被害を最小限に抑えることも可能です。
不動産投資で思わぬ失敗を招かないために、いつ起こるかわからない、いつ起こってもおかしくない地震についても、しっかり考えておく必要がありそうですね。
「不動産投資の相談一覧」では、不動産投資に関するさまざまな質問と回答を確認することができます。
ご自身にとって、有益な情報がないかをご確認するだけでもおすすめです。
また「大家さん相談所」には、他にも様々なお悩みが寄せられています。引き続きまとめ記事として発信を続けますので、ぜひ今後もご覧ください!
いえらぶでは物件や不動産会社の口コミを見て比較できます。
よりクリアな情報から、あなたにぴったりの
いい家を選んでみませんか?
「いい家」を探す
Writer この記事を書いた人
- いえらぶコラム編集部
- 不動産業界・賃貸物件に関する広報活動を行いながら、現在はいえらぶGROUPのライターとして活動中。おもに、不動産・賃貸物件・税金・片付け・車といった暮らしに関わる記事を執筆しています。