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山林の固定資産税の計算方法は?相続税の評価額の算出方法も解説

いえらぶコラム編集部

山林の固定資産税の計算方法は?相続税の評価額の算出方法も解説

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親や親族からの相続によって、思いがけず山林を所有することがあります。

山林を所有すれば、当然、固定資産税や相続税を支払う必要があり、その納税額が気になりますよね。

そこで今回は、山林の固定資産税について特集し、計算方法や山林の種類による評価額の違いなどを解説します。

山林を相続してどうしたら良いか迷っている方、またこれから山林を相続する予定のある方はぜひチェックしてみてください。

山林の固定資産税とは?山林の種類によって計算方法が変わる?

山林の固定資産税とは?山林の種類によって計算方法が変わる?

相続などで山林を所有すると、固定資産税の納税が必要となります。

固定資産税とは、毎年1月1日時点で土地や家屋などの不動産を所有する方が支払う税金のことです。

山林ももちろん固定資産税の対象となり、1月1日時点で山林を所有していれば、その年の5月頃に市区町村の役場から固定資産税の納付書が届きます。

納付書に書かれた金額を支払うことで納税が完了しますが、突然予定外の納付書が届いても戸惑ってしまいますよね。

そのため、事前に自分で計算し、支払うべき納税額を把握しておくと安心です。

具体的な計算方法を知る前に、ここでは山林を年度途中で売却した場合、山林を共有している場合の固定資産税について解説します。

また、固定資産税や相続税の計算に必要となる山林の種類と定義も併せてご説明します。

<山林を年度途中で売却した場合>

相続などにより年度途中で所有者が変わった場合は、売却前の期間分は売主が納税し、売却後の期間分は買主が納税することとなります。

通常は1月1日時点の所有者(売主)が1年分の固定資産税を納税しているため、買主は売却価格にプラスして、所有する期間分の固定資産税を売主に支払うこととなります。

<山林が共有名義の場合>

相続財産に山林が含まれている場合、遺産分割協議が終わるまで相続人全員の共有名義となります。

山林が共有名義となっていれば、当然ながら固定資産税も共有者全員に対して課税されます。

<山林の種類と定義>

山林の種類は、地域の状況により以下の3つに分けられます。

後ほど相続税評価額の計算方法で必要となるものなので、しっかり確認しておきましょう。

1.純山林

市街化地域から遠く離れた地域にあり宅地の価額の影響をほとんど受けない山林は、純山林と定義されています。

2.中間山林

市街地の近郊にあり売買価格の水準が上記の純山林より高い水準にある山林は、中間山林と定義されています。

3.市街地山林

都市計画法による市街化区域にあり土地の評価額が宅地の価額に影響される山林は、市街地山林と定義されています。

山林の相続税に関わる評価方法とは?

山林の相続税に関わる評価方法とは?

続いて、山林の相続税に関わる評価方法について見てみましょう。

山林の相続税評価額は、上記でご説明した山林の種類によって、以下の2つの評価方法があります。

<山林の評価方法1.純山林・中間山林の場合>

純山林と中間山林の評価は、固定資産税評価額をもとに倍率方式で計算します。

山林の固定資産税評価額×倍率

倍率は毎年国税庁が発表する「財産評価基準書」で確認できます。

この倍率は、山林の状況や地価事情の似ている地域ごとに、その地域の山林の売買実例価額、精通者意見価格などをもとに国税局長が定めています。

山林の場合、固定資産税の評価は1㎡あたり数十円と安く設定されていることが多いため高額になることはほとんどありませんが、相続税評価額は固定資産税評価額の数倍以上になるため要注意です。

<山林の評価方法2.市街地山林の場合>

市街地山林の評価は、宅地比準方式で算出します。

宅地比準方式とは、その山林を宅地として評価した価額から山林を宅地に造成する費用を引いて計算します。

精通者意見価格(宅地として評価した1㎡あたりの価格-1㎡あたりの造成費)×山林の面積

造成費は前述した「財産評価基準書」に、各都道府県別に通常必要と認められる宅地造成費が掲載されているので参考にしてみてください。

<保安林・特別緑地保全地区にある山林の場合>

相続などで所有した山林が保安林や特別緑地保全地区にある場合、純山林・中間山林・市街地山林の評価額より安く評価します。

保安林とは水を育んだり、土砂崩れなどの災害を防いだり、景観などの公益目的のために、農林水産大臣または都道府県知事が指定する森林のことです。

国内の森林面積の半分は、こちらの保有林に該当するといわれています。

保安林は伐採や開発が制限されるため、評価額も制限に応じた控除割合を差し引いて評価します。

保安林に指定された山林は非課税となっているため、近隣の評価額が付いている山林の価額をもとに算出します。

また都市緑地法第12条に規定される特別緑地保全地区にある山林の場合は、建築物などの新設や増設、木竹の伐採、水面の埋め立てなどが制限されていることから、相続税評価は8割減額されます。

一定の条件を満たした山林では上記の評価額から、さらに20/100を控除して評価するため、固定資産税や相続税はより安くなったりします。

山林を所有した場合に支払う固定資産税の計算方法

山林を所有した場合に支払う固定資産税の計算方法

最後に、固定資産税の計算方法と実際のシミュレーションを確認しておきましょう。

固定資産税は以下の計算方法で算出できます。

山林の固定資産税評価額×1.4%=山林の固定資産税

固定資産税評価額は公示価格の70%が目安となります。

公示価格とは国土交通省の土地鑑定委員会によって決められた1㎡当たりの価格のことで、毎年1月1日時点の公示価格がその年の3月中旬頃に発表されます。

ただし山林の場合は公示価格がないことも多く、公示価格が定められていたとしても価格は低く設定されているため山林の固定資産税は高額になることはほとんどありません。

また山林の固定資産税評価額が30万円以下の場合、固定資産税が課税されることがないのも知っておきたいポイントです。

<山林の固定資産税シミュレーション>

山林の固定資産税がいくらくらいになるのか、実際の数字を当てはめてみます。

5ha=15,125坪の山林の場合、評価額を1坪50円として計算すると評価額は以下のようになります。

山林の評価額:15,125坪×50円=756,250円

前述したとおり、固定資産税は上記の評価額に税率1.4%を掛けて算出します。

山林の固定資産税:756,250円×1.4%=10,587.5円

上記の計算から5haの山林を所有している場合、毎年およそ1万円の固定資産税が掛かることがわかります。

固定資産税は相続税と違い、山林を所有している間は毎年納税義務があるため金額はしっかり把握しておきたいものです。

ただし上記の計算で山林の評価額が30万円に満たない場合は固定資産税が非課税となるため、納税の必要はありません。

まとめ

山林を所有すると、評価額によって固定資産税や相続税が掛かることがわかりました。

固定資産税が掛からない評価額30万円以下の山林であれば所有していても問題ありませんが、それ以外の山林では持っているだけで毎年、固定資産税が掛かってしまいます。

もしも活用する予定のない山林なら、売却するほうが良い場合もあるのでよく検討してみましょう。

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