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- 農地は売却した方がいい!理由から農地売却の流れや費用までを解説
目次
農地を所有しているものの「跡継ぎがいない」などの理由から、使われていない農地が現在増えています。
農地の売却は、一般的な住宅用の土地とは異なり許可が必要になるなど、やや複雑ではあります。
ただ、「手続きが複雑そうだから」という理由で、使わない農地をそのまま放置しておくのはもったいない
ことです。
今回は、使わない農地を売却した方が良い理由と、農地売却時の流れや費用について解説します。
使わない農地を売却した方がよい理由
そもそも農地とはどのような土地をいうのでしょうか。
農地について説明したうえで、農地を売却した方がよい理由についてご紹介します。
<農地とはどのような土地のこと?>
農地とは、農地法上の定義としては、「耕作の目的に使われている土地」のことをいいます。
ただ、農地の中でもいくつか種類があり、たとえば農地から別の用途に転用することができる土地と、転用できない土地があります。
それらを決める基準を「立地基準」と言い、立地基準は以下の5つに分けられます。
下記①~③は農地転用(農地以外の用途に使うこと)ができません。
①農用地区域内農地:市町村が定める農業振興地域整備計画において農用地区域に指定された農地
②甲種農地:市街化調整区域内にある、とくに良好な営農条件を供えている農地
③第1種農地:10ha以上の規模の農地や土地改良事業などの対象となった農地など、良好な営農条件を備えている農地
④第2種農地:鉄道の駅が500m以内にあるなど市街地化が見込まれる農地や生産性の低い農地
⑤第3農地:鉄道の駅が300m以内にあるなど、市街地の区域または市街地化の傾向が著しい区域のある農地
これらの、①~③に関しては、「農業に適した条件を兼ね揃えている農地」として立地基準上考えられているため、農地転用することはできません。
ただ、④~⑤に関しては、市街地にあり転用の価値があることから、農地以外の用途への転用が認められています。
なお、①~③でも農地を「農地」のまま売却することは可能です。
以上のように、農地を売却しようと考えたときに、まずは自らの土地が立地基準上どのような区分で定められているかを確認したうえで、農地転用がきるかを把握しておく必要があります。
また、農地の売買には許可が必要です。(「一般基準」と言います)
・農地を農地のまま売却する場合:3条許可(農業委員会による許可)
・農地を転用して売却する場合:5条許可(原則都道府県知事による許可)
<使わない農地を売却した方がよい理由>
農地の種類があることは分かったけれども、何だか手続きが複雑そうなので、売却せずそのまま放置してお
きたいと思う方もいるかもしれません。
しかし、使わない農地を売却した方がよい理由があります。
①固定資産税の引き上げ
国としても、使われていない遊休地となっている農地が増えていることを課題であると考えています。
そこで、このような耕作放棄地や遊休農地を減らすべく、固定資産税の引き上げがおこなわれています。
固定資産税は、土地を所有している限り毎年かかってくるものですので、使わない農地は手放した方が固定
資産税のような固定費を削減できます。
②管理の手間がかかる
農地を放置しておくと劣化してしまい、再度農地として使おうと思っても使えない状態になってしまいます。
また、害虫などが発生してしまい、近隣住民に迷惑をかけてしまうこともあります。
このような管理の手間が必要であることも、使わない農地を売却した方がよい理由の一つです。
農地売却の流れを解説
では、農地を売却する際はどのような流れになるのでしょうか。
<農地を農地のまま売却する流れ>
まず、農地を農地として売却する際の注意点として「農地を購入できる人が限られている」ということが挙げられます。
農地を購入できるのは、農業を営んでいる農家の人か、農地所有適格法人に限られています。
投資目的で農地を購入することを防ぐ目的があるのです。
さて、農地を農地のまま売却する流れは以下のとおりです。
①買主を見つける
まずは、農業に自ら従事している人で農地を欲しがっている人を探してきます。
近所の農家のツテや、農業に強い不動産会社や地域の農業あっせん機関などで探してみましょう。
②許可を条件とした売買契約を締結
農地の売買には許可が必要となりますので「申請した内容が許可された場合締結される」条件付きの売買契約を締結することになります。
なぜ許可がおりる前に売買契約を締結するのかというと、契約内容や買主が不明のままでは、許可がおりにくいからです。
③農業委員会に許可申請をする
許可申請には、許可申請書や登記事項証明書などが必要ですが、事前申請する農業委員会に確認しておきましょう。
④(許可前)所有権移転請求権登記の仮登記をおこなう
手続き完了までに1~3か月と時間がかかるため、許可がおりる前に仮登記をおこないます。
⑤(許可後)所有権移転請求権登記の本登記をおこなう
許可がおりれば、本登記をおこない、代金の支払いが終われば、売買毛訳に関する手続きは完了となります。
<農地を転用して売却する場合>
農地を転用して売却する場合は、先述した「立地基準」を満たしておくことが必要です。
そのうえで、「一般基準」をクリアしなければなりません。
一般基準をクリアするためには、目的や建造する内容、資金源などを明確に提示することが求められます。
具体的に売却する流れは以下のとおりです。
①買主を見つける
農地を転用し購入してもらえる買主を探すことになりますが、その仲介は農地の売買に強い不動産会社をオススメします。
農地の売買は、農業委員会への申請などがあり特殊であるからです。
②許可を条件とした売買契約を締結する
農地として売却するときと同様に、農業委員会への申請が許可されることを条件とした売買契約を締結します。
許可がおりなければ、この売買契約は無効となります。
③転用許可申請
農地から転用して別の用途で土地を利用することになる場合は、転用許可申請を市町村の役場にておこないます。
農地転用許可申請書や登記事項証明書などが必要ですが、事前に必要書類を役場にて確認しておきましょう。
④(許可前)所有権移転請求権登記の仮登記をおこなう
農地として売却するときと同様に、許可がおりる前におこないます。
⑤(許可後)所有権移転請求権登記の本登記をおこなう
農地として売却するときと同様に、許可がおりればすぐに代金支払いと本登記をおこないます。
農地売却に必要な費用
さて次に、農地を売却するときに発生する税金や費用について解説します。
<農地売却で発生する税金>
農地売却のときに発生する税金は、譲渡所得税、印紙税、登録免許税があります。
また、農地売却の際にかかる税率は、その土地を所有していた期間によって変わってきます。
所有期間が5年以下なら「短期譲渡所得」になり税率は高く、5年以上であれば「長期譲渡所得」になり税率は低くなります。
売却するタイミングも不動産業者に相談してみるとよいでしょう。
<農地売却で発生する費用>
農地売却で主に発生する費用は、以下の2つです。
①仲介手数料
不動産業者に支払うもので、「売却価格×3%+6万円+消費税」が上限額となっています。
仲介業者を介さない場合や、不動産業者が買取の場合は、この仲介手数料は発生しません。
②行政書士依頼費用
農地を転用して売却する際の転用申請をするときに発生する費用です。
市街化区域内地域の場合は約10万円、市街化調整区域の場合は約15万円発生しますが、知識があり自分でおこなう場合はもちろん費用はかかりません。
まとめ
以上、農地売却に関して、概要から流れや費用面について解説しました。
許可申請が必要であることから、一般の宅地の売買に比べて複雑ではありますが、使わない農地を所有している場合は年々コストも発生します。
是非農地売却の際のご参考にしてくださいね。
利用価値を高めるためにも、まずは遊休農地の有効な活用方法を考えてみてはいかがでしょうか?
いえらぶでは、売却一括査定もおこなっていますので、この機に土地売却をご検討されている方はぜひご利用くださいませ。
あわせて読みたい記事として、「本気で売りたい!後悔しない売却成功のコツ」、「不動産売却マニュアル」も掲載して
いるので、土地の売却にお役立てください。
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Writer この記事を書いた人
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