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- 土地の分筆とは?メリット・デメリットから流れまで解説!
目次
一つの土地を複数の土地に分けることを、「土地の分筆」といいます。
今回は、まず土地の分筆とはなにかについて説明し、そのうえでメリット・デメリットや実際の流れについて、解説したいと思います。
土地の分筆の意味と必要なケースについて
土地の分筆とはなにか、また、どのようなときにおこなわれるものなのかを見ていきましょう。
<土地の分筆とは>
土地の分筆とは、登記簿で一つの土地になっているものを二つ以上に分けることを言います。
土地を数える単位を「一筆」「二筆」というので、「分筆」という表現を使うのです。
なお、土地の分筆がおこなわれると、地番が新たにつけられます。
(例) 分筆前:1丁目25番
分筆後:1丁目25-1、1丁目25-2
<土地の分筆がおこなわれるとき>
土地の分筆とは、具体的に次のような場合になされます。
・土地の一部を売却するとき
土地を分筆して、一部はそのまま残しておき、残りの一部を売却する場合などに分筆をすることがあります。
・土地の一部を利用するとき
たとえば、もともと農地として登記していた場合、その土地は耕作以外の用途、たとえば住宅や駐車場などに活用することはできません。
土地を分筆し、その一部の土地の地目を変更することで、新たな活用をすることができます。
・相続した土地を相続人で分けるとき
広い土地を相続した場合、土地を分筆することで、相続人で分けることができます。
以上の説明したように土地の分筆とは、売却や新たな土地活用、相続時におこなわれることが多いです。
土地の分筆のメリット・デメリット
では、土地の分筆がおこなわれるメリットやデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
<土地の分筆のメリット>
①遺産分割しやすい
相続した一つの土地を、複数の相続人で共有することはできません。
たとえば、現物分割といってAさんは不動産、Bさんは預貯金を相続するといった方法もありますが、どうしても不動産は評価額が高い傾向にあり、トラブルが発生しやすくなります。
そこで、広い土地であれば、土地を分筆することにより問題を避けながら相続することができます。
②地目設定に応じた活用ができる
登記する際、「宅地」「田」など地目も登録することになります。
分筆することによって、現状に応じた地目設定をすることができるのもメリットの一つです。
③税制面でお得になることも
土地の分筆をすることで評価額が下がり、税金を抑えられるメリットを享受できることもあります。
たとえば、以下のようなときに評価額が下がります。
・元々大通りに面していたが、分筆することで接しなくなった(接する面積が減った)
・分筆することで旗竿地になった
・土地の一部を私道にした など
評価額が下がることにより、毎年支払う固定資産税も下がり、相続時の相続税も安くなります。
<土地の分筆のデメリット>
①形が変わることで、使い勝手が悪くなることも
土地を分筆することのデメリットとして、土地の形が悪くなり、使い勝手も悪くなることが挙げられます。
土地の評価額が下がることで、先ほどご紹介した「税金を抑えられる」というメリットにはつながる一方で、売却する際は売却しにくくなるというデメリットも発生します。
また、土地が狭くなることで建ぺい率・容積率などの制限を受けることで、今の土地の広さで建てられる建物の面積より、小さくなってしまう可能性もあります。
その結果、建物の再建築や増改築がしづらくなるというデメリットにもなります。
②税金があがるケースも
たとえばこれまでは宅地として利用していた土地を分筆し、宅地と耕作地に切り分けたとします。
その場合、宅地部分についてはこれまで同様、固定資産税・都市計画税の減税措置を受けることができます。
一方で、建物がない土地については減税措置の対象ではなく、元々の高額な税金を支払うことになるというデメリットが生じます。
③分筆には費用がかかる
土地の分筆をおこなうためには、土地家屋調査士に依頼することになり費用がかかります。
その費用は、その分筆のケースや依頼する内容によってさまざまですが、20万円~30万円くらいが相場です。
ただ、現況によっては100万近くする場合もあるようです。
また、手続きを要する期間としても土地の境界が確定していれば10日、確定していなければ2~3か月かかることになります。
ケースによってさまざまですので、お近くの土地家屋調査士にご相談ください。
土地の分筆の流れ
では、実際に土地を分筆するとなればどのような流れになるのでしょうか。
実際の流れを段階ごとに説明します。
①土地家屋調査士に依頼する
まずは、お近くの土地家屋調査士に依頼し、費用や今後の流れなどについて確認しましょう。
②法務局や役所の調査をおこなう
土地家屋調査士が、法務局や役所に出向き、事前調査をおこないます。
たとえば、以下のような資料を取得し、調査します。
・公図:土地のだいたいの位置や形を記したもの
・地積測量図:道路や隣接するとの土地との境界線がはっきりしている測量図のこと
・確定測量図:土地の境界を完全に確定させた測量図
・登記事項証明書:登記の内容を印刷したもの
③現地調査・現地立ち会いをする
土地家屋調査士が現地調査をおこない、役所の職員や近隣の土地の所有者と筆界や境界について確認します。
(参考)筆界:土地の公的な境界のこと。役所の方と確認する。
境界:土地も私人間における境界のこと。近隣の土地の所有者と確認する。
④境界確定測量
近隣の土地との境界線がはっきりしていない場合は、土地家屋調査士が境界確定測量をおこないます。
実際に土地の境界が確定すれば、「筆界確認書」「境界確認書」を作成します。
⑤分筆案の作成
土地家屋調査士が、上記の事前調査の結果をふまえて、土地の分筆案を作成します。
⑥近隣土地所有者との立ち会い
分筆案が決まれば近隣土地所有者に立ち合いをしてもらい、同意をもらいます。
⑦境界標の設置
同意が得られれば、境界標を埋め込みます。
境界標は、最近では鉄のタイプのものがスタンダードです。
⑧登記書類の作成、提出
分筆をした内容を登記するために、書類を作成し、法務局に提出します。
なお、土地を分筆するための登記には以下の書類が必要になります。
・登記申請書
・筆界確認書(境界確認書、境界の同意書、境界の協定書)
・地積測量図
・現地案内図
・委任状
なお、これらの手続きは、通常は土地家屋調査士が準備し記入することになります。
依頼者は、最後に印鑑を押すだけで良い場合がほとんどです。
まとめ
以上、土地の分筆とはなにか、また、土地の分筆のメリット・デメリットや実際の流れまでを説明しました。
土地の分筆をすることで相続しやすい、売却しやすいなどのメリットがある一方で、なかには税金があがるケースもある、また分筆に際する手間や費用が発生するというデメリットも挙げられました。
ご自身の目的や現況を考えたうえで土地家屋調査士と相談のうえ、必要あれば手続きを進めてみてください。
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