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- 所有権移転登記とは?概要から手順、注意点まで徹底的にご紹介!
目次
不動産の売買をしたとき、相続をしたときなど、所有権が変わった場合には登記が必要になります。
その不動産に対する“名義の変更”のことを「所有権移転登記」といいます。
今回は、所有権移転登記の概要を説明したうえで、手順や注意点など、所有権移転登記について徹底的にご紹介します。
所有権移転登記とは?わかりやすく概要を説明!
「所有権移転登記」という言葉が聞きなれない方もいると思います。
まずは、所有権移転登記がどのようなものなのか、わかりやすく解説します。
<所有権移転登記とは>
所有権移転登記とは売買や相続などによって、土地や建物の所有権を持つ人が変わった際に法務局に対しておこなう登記のことをいいます。
わかりやすくイメージで伝えると、土地や建物の“名義変更”のようなものです。
所有権移転登記をしなければ、法律によって罰則があるわけではありません。
ただ、不動産の所有権の所在を登記していないことで、なにかトラブルが発生した場合に立場が不利になる恐れがあります。
所有権が移る事象が発生したときは、なるべく早く登記を済ませるようにしましょう。
なお、手続き自体は当事者がすることもできますが、登記のプロである司法書士に依頼する人も多くいます。
<所有権移転登記はどのような場合におこなう?>
さて、所有権移転登記は具体的にどのような場合におこなうのでしょうか。
所有権移転登記をおこなっていなかった場合に生じるトラブルとともに、具体的に例をあげて説明します。
・不動産の売買をしたとき
不動産の売却、購入をしたときも所有権移転登記をする必要があります。
不動産の売買をしたのに所有権移転登記をしていないと、たとえば買主が支払っているのに悪質な売主が登記を済ませず売主が別の買主に売却をし、その買主が支払い完了した場合は、後の買主の所有権となってしまいます。
このようなことを防ぐために、司法書士が売主の委託を受けたうえで手続きをするとわかりやすく、安心でしょう。
・不動産の相続をしたとき
たとえば、父親が亡くなり、父親が所有していた土地を長男が相続をする場合、所有権移転登記が必要になります。
この場合、所有権移転登記をおこなっていなかったときに考えられるトラブルとして、相続人である長男もその後他界し、その子ども達がさらに相続人となる“数次相続”が発生するといったように権利関係が複雑になることが考えられます。
・不動産の贈与をされたとき
存命中に不動産を譲り受けることを「贈与」といいます。
たとえば、不動産を父親が生きている間に贈与されたものの所有権移転登記をおこなっておらず、父親が亡くなった場合、兄弟にも相続権が発生します。
相続になると、相続人すべての同意が必要になるため、トラブルが生じやすくなるのです。
・離婚などで財産分与をしたとき
離婚などで共有財産を分割するときも所有権移転登記が必要です。
たとえば、妻の所有となるはずだった不動産が夫の所有権のままになっており、夫が勝手に売却し登記を済ませてしまった場合は、妻にはその所有権は戻ってきません。
離婚後時間が経ってしまうと、協力的な姿勢をとってくれるとは限らないので、速やかに所有権移転手続きを終えることをオススメします。
所有権移転登記の手順とは?
所有権移転登記に必要な書類、具体的な手順、必要な費用について説明します。
<所有権移転登記に必要な書類>
所有権移転登記には以下の書類が必要です。
・すべての場合に必要:登記事項証明書
・売主・贈与する人に必要:不動産登記申請書、委任状、登記原因証明情報、登記済権利証or登記識別情報、印鑑証明書、固定資産評価証明書、身分証明書、実印
・買主・贈与を受ける人に必要:不動産登記申請書、委任状、登記原因証明情報、住民票、身分証明書、認印
・遺産相続の場合に必要:委任状、戸籍謄本、住民票、印鑑証明書、実印
・相続人:被相続人の住民票除票、固定資産評価証明書、遺産分割協議書、登記原因証明情報、相続関係説明図、遺言書・検認調書
<所有権移転登記の手順>
具体的な手順としては、以下のとおりです。
なお、司法書士に依頼することもできますが、自分で手続きすることもできます。
①書類の準備
上述したように、所有権移転登記には多くの書類が必要になってきます。
ケースに応じた必要な書類を入手し、記入します。
なお、様式については、法務局のサイト(不動産登記の申請書式について) にて入手することができます。
②書類を法務局に提出、審査
準備した書類を法務局に提出します。
なお、法務局に持参することもできますが、書類を添付しオンラインで申請することもできます。
提出後、法務局にて審査されますが、不備などがあれば訂正や再提出を求める連絡がきます。
③完了(登記事項証明書の取得)
無事、所有権移転登記が完了すれば、登記事項証明書を取得します。
申請してから、およそ1~2週間で手続きが完了します。
所有権移転手続きをおこなう際の注意点
所有権移転手続きをおこなう際の注意点として、費用面と手続きの迅速さが挙げられます。
<所有権移転登記にかかる費用>
1つ目の注意点として、所有権移転登記をする際は、司法書士への依頼費用以外にも費用が発生します。
所有権移転登記に必要な費用は、「登録免許税」「手続きに関する費用」の2つです。
①登録免許税
登録免許税とは、所有権移転登記をおこなう際に払う税金のことです。
土地と建物どちらの登記もおこなう場合は、土地、建物両方に登録免許税が発生します。
なお、税率は相続や売買など、種別によって異なり、不動産固定資産税評価額にかかってきます。
・売買の場合
土地:当年度の固定資産税評価額×2%
建物:当年度の固定資産税評価額×2% ※一定の要件を満たせば0.3%
・相続の場合
土地:当年度の固定資産税評価額×0.4%
建物:当年度の固定資産税評価額×0.4%
・贈与、財産分与の場合
土地:当年度の固定資産税評価額×2%
建物:当年度の固定資産税評価額×2%
②手続きに関する費用
・必要書類を取り寄せるための費用
登記手続きに必要な公的な書類を取り寄せるためにも費用がかかります。
郵送や交通費、契約書に添付する印紙も必要になるため、だいたい1~2万円は必要となってきます。
・司法書士への依頼費用
司法書士に手続きを依頼する場合も、費用が発生します。
相場としては、不動産1件あたり数万円~5万円が相場となっています。
相続などの場合で関係者が増えれば増えるほど、報酬も比例して増える傾向があります。
<手続きは速やかにおこなうこと>
2つ目の注意点として、所有権移転登記手続きは法律での罰則の規定はありませんが、前述したようにトラブル回避のため、速やかな手続きが望まれます。
とくに、売買や贈与、離婚などによる財産分与については、協議のその日即日で申請手続きを済ませることが望ましいと言われています。
また、相続の場合も事象発生から10か月以内が手続き完了の目安です。
まとめ
以上、所有権移転登記について、その概要と流れ、申請時の注意点を説明しました。
所有権移転登記は、事象が発生すれば速やかに手続きをおこなうことで、後々の煩わしいトラブルに巻き込まれることを防ぎます。
申請書類も多く必要ですが、余裕をもって準備をし、とくに売買や贈与、離婚などによる財産分与に関しては協議の日当日に申請手続きをおこないましょう。
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Writer この記事を書いた人
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