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- 一戸建ての寿命を伸ばすためにはどうしたらいい?必要なリフォームや費用はどれくらいか
目次
「一戸建てを購入したけど、どのくらいの期間住めるのか?」「今の一戸建てにどれくらい住めるのか?」と疑問に思う方もいるでしょう。
不動産を購入する際には建物の寿命について知っておくと、いつ住み替えるのか、いつ売却するのか考えるときに役立ちます。
今回は、一戸建ての寿命と長く住むために気をつけたいことをご紹介します。
一戸建ての寿命はどのくらい?
一戸建ての寿命の考え方には、耐用年数と実際に住める期間があります。
それぞれ、どのように違うのでしょうか?
<耐用年数>
耐用年数とは法律が定められているもので、減価償却の計算に利用されます。
そのため、耐用年数が実際に住み続けられる期間ということではありません。
この耐用年数は車やパソコンなどの資産にも適用され、建物の場合は建物の構造によって以下のように年数が変わります。
木造→22年
軽量鉄骨プレハブ造(骨格材肉厚3mm以下)→19年
軽量鉄骨プレハブ造(骨格材肉厚3mm超4mm以下)→27年
重量鉄骨造(骨格材肉厚4mm超)→34年
鉄筋コンクリート造→47年
減価償却についてはこちらでも紹介していますので、参考にしてください。
>>アパートの寿命はどれくらいなのか?耐用年数を超えた場合の対処法
<実際に住める期間>
耐用年数は経理上の寿命ですが、実際に人が住める期間としては以下のようになっています。
木造→30年~80年
鉄骨造→30年~60年
鉄筋コンクリート造→40年~90年
木造でも30年~80年と幅が広くなっていますが、これは、住宅の寿命が使われ方によって変化するからです。
しかし最近では建築技術も発達し、100年住める家をうたった住宅もあり、住宅の寿命が延びています。
<耐用年数は住宅ローンに関係する>
先ほど、「耐用年数は実際の寿命ではない」とご説明しましたが、だからといって耐用年数を考えなくてもいいわけではありません。
耐用年数は住宅ローンを借り入れる際に重要で、とくに、購入する一戸建てが中古物件であるときには注意しましょう。
住宅ローン審査の判断基準として、耐用年数を利用している金融機関もあります。
耐用年数を過ぎていると、必ず住宅ローンを受けられないというわけではありませんが、中古の一戸建てを購入するのであれば意識しておきたいポイントです。
住宅の需要を伸ばすためにできること
耐用年数は変更できませんが、実際の寿命は、一戸建ての扱い方次第で伸ばすことも可能です。
ここでは、知っておきたい一戸建ての寿命を延ばすコツをお伝えします。
<こまめな修繕と掃除をする>
一戸建てはこまめな掃除で見た目を保つことと、見つけた破損をこまめに修繕するようにしましょう。
早期に発見しこまめに修繕できれば、一度に大規模な工事をおこなうよりも時間も費用も抑えられます。
とくに、外壁や水回りは傷みやすく壊れやすい場所でもあるので、ヒビ割れや水漏れには注意し、必要な修繕を施すようにしましょう。
<保険に加入する>
台風や地震などの災害では被害が大きくなることもあり、損害に備えておくことが必要でしょう。
住宅ローンの借り入れには火災保険の加入が必須ですが、地震保険の加入も検討すべきです。
日本は地震大国といわれるほど地震が多く、地震保険の加入率も年々増加傾向にあります。
地震の被害はときに大きいこともあるので、加入しておくと安心です。
<軟弱地盤を調べる>
一戸建てを購入する前であれば、立地条件や価格以外に地盤についても意識しましょう。
安い土地を購入し一戸建てを建てると、大きな地震が来たり経年劣化で地盤が傾いたりすることがあります。
そのため、解体したり建て替えたりする必要があり、一戸建ての寿命を縮める要因になります。
地盤の強さを確認するには、ハザードマップや過去の航空写真で土地の状態を調べたり、地盤調査を受けたりしましょう。
また、インターネットでは地盤の強さを調べられるサイトもあるので、ぜひ利用してくださいね。
<ホームインスペクションを参考にする>
中古の一戸建てを購入する際には、ホームインスペクションを活用しましょう。
ホームインスペクションとは、建築士や住宅診断士が住宅の専門家として調査をおこない、住宅の修繕すべき場所や欠損、劣化状況を調査するもの。
2016年から物件の取引の際には、買手にホームインスペクションをおこなうかどうか意向を確認することが義務化されています。
そのため、ホームインスペクションは必ずおこなうようにし、物件の状態を理解したうえで購入するようにしましょう。
寿命を延ばすリフォーム方法とは
一戸建ては、築年数が経つほど少しずつ劣化していきます。
そのため、一戸建ての寿命を伸ばすためには、適切なタイミングで適切なリフォームをおこなうことが有効です。
ここでは、築年数別にやっておきたいリフォームについてご紹介します。
<築10~15年の家の場合>
築5年などであればハウスクリーニングで済む場合が多いですが、築10年を過ぎるとリフォームが必要になることが多いです。
一戸建ての外壁や屋根などのリフォームが必要で、ここできちんとメンテナンスをおこなえば劣化を遅らせることも期待できます。
一戸建ての大きさや工事の規模によりますが、外壁の塗装では100万円~150万円、屋根の塗装では20万円~30万円が相場です。
また、畳の場合は10年~15年で新調することが一般的で、床のへこみや軋みがあれば補修するようにしてください。
6畳の畳だと7万円~20万円、フローリングの貼り替えだと9万円~18万円が必要になります。
<築15~20年の家の場合>
築15年であれば水回りの設備に注意しましょう。
トイレなど水回り設備の交換が必要になり、ヒビ割れで見えない部分が侵食していることもあります。
さらに、キッチンでは排水溝の臭いやヌメリが取れなかったり、シンクの下から水漏れをしたりすることがあります。
たとえ見た目に異常がなく不便がなくても、毎日使用する場所なので基本的に15年が経っていればメンテナンスをしてください。
給湯器水栓やコンロの交換では15万円、トイレは10万円~15万円かかります。
<築20~30年の家の場合>
築20~30年は構造部分が劣化するので、これまでよりもリフォーム費用が高くなります。
トラブルも増え始め、内装の汚れや傷も目立つようになるでしょう。
扉や引戸の開閉でつっかえたり、サッシが動かなかったりなど窓の建て付け部分の劣化や、これまでよりも広くフローリングの貼り替えをするなどリフォームの規模も段々と大きくなっていくでしょう。
これまで適切な修繕をおこなっていれば、500万円未満でリフォームが可能です。
しかし、メンテナンスやリフォームをしてこなかった一戸建てだと、より多くの費用が必要になることも。
スムーズに一戸建てのリフォームをおこない、寿命を伸ばすためにも、今後必要になるリフォーム内容や費用を把握しておくことが大切ですね。
<建て替えor売却>
これまで見てきたとおり、築30年を過ぎるとリフォームする場所やトラブルが増え、費用が高くついたり不便さを感じたりすることがあります。
そこで、思い切って建て替えをするのも一つの手だと言えます。
建て替えてしまえば、間取りを変更したり便利な機能を追加したりなど、さらに快適な一戸建てが望めます。
しかし、これまで住んでいた一戸建てを解体することやその分費用がかかることなど、メリットとデメリットがあるので、どちらがいいのか検討してくださいね。
まとめ
一戸建ての寿命には、耐用年数と実際に住める期間があり、一戸建ての使用方法によって寿命は変わってきます。
さらに、築年数別で必要になるリフォームは異なるので、適度に修繕することで一戸建ての快適さを保てますよ。
こまめなメンテナンスも忘れずに、快適な一戸建てを維持してくださいね。
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