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- アパートの寿命はどれくらいなのか?耐用年数を超えた場合の対処法
目次
アパート経営するなら誰もが気になる、アパートの寿命。
アパートオーナーやアパート経営に興味がある方は、「築年数が経ってしまったらどうなるのか」と疑問に持っていませんか?
また、「築古アパートは売却できるのか」と気になっている方も多いでしょう。
そこでこの記事では、アパートの寿命や築年数が経ったアパートでどう利益を出すのかについてお伝えします。
アパートの寿命はどれくらい?
アパートの寿命については、法定耐用年数と物理的耐用年数という2つの考え方があります。
今回は、所得税の軽減にもつながる法定耐用年数について解説します。
<法定耐用年数>
法定耐用年数とは税法によって定められており、「資産の使用期間」のことを意味します。
基本的に、建物は築年数が経過していくにつれて、その資産価値は下がっていきます。
そのことを考慮して、資産を使用できる期間が1年以上であれば毎年10万円ずつ減価償却費として計上し、法定耐用年数の期間は税金を抑えることが可能です。
そして、この法定耐用年数が経過するごとに価値は下がり、最終的に年数が過ぎると、財務上は資産価値がゼロとして扱われます。
しかし、物理的耐用年数は、管理やメンテナンス状況によって倍以上に伸びることもあります。
法定耐用年数は、その物の寿命自体を示すものではないということに注意すべきです。
<アパートの構造>
法定耐用年数は、建物の構造によって決められています。
■木造:22年
建物の柱や梁、壁などの主要の部分が木造構造の場合、木造建築物になります。
建築のコストを抑えられることが、最大の特徴です。
■軽量鉄骨:19年(骨格材の厚み3mm以下)または27年(骨格材の厚み3mm超え4mm以下)
ハウスメーカーが主に提供する住宅であり、工場で事前に部材を生産するため、品質が安定していると言われています。
骨格材の厚みによって法定耐用年数も変化するので、あらかじめ厚みを確認しておきましょう。
■重量鉄骨:34年(骨格材の厚み4mm以上)
高層階のビルなどに多く使われており、材料が分厚く頑丈なので広い部屋の建物を建築できます。
■鉄筋コンクリート造:47年
デザインの自由度が高いことと耐震性があるので、人気の住宅です。
このように、構造によって法定耐用年数も大きく変わります。
アパート経営を開始する前に、しっかりと法定耐用年数を考慮して資金計画を立てておきましょう。
アパートの法定耐用年数を超えるとどうなるのか?
では法定耐用年数を超えてしまうと、具体的にどのようなことが起こるのでしょうか?
ここでは、アパート経営に影響を与えるものを紹介します。
<融資が受けられない>
アパートを経営するために、金融機関からローンを借り入れることが一般的です。
しかし、基本的に融資を受けるためには、法定耐用年数内であることが条件になります。
たとえば、築5年の中古アパート(木造)を購入するためにローンを借り入れる場合、返済期限は
22(木造建築物の法定耐用年数)-5(築年数)=17
で17年と金融機関が指定します。
そのため、築年数が22年を超えた木造アパートであれば、多くの場合ローンを組めません。
融資はアパート経営において、資金の流れを考えるために必要なものです。
アパートを購入する場合は、ローンを組むことも考慮し築年数が許容範囲かどうか注意しましょう。
<減価償却ができない>
減価償却とはパソコンや車、住宅など金額の高いものを購入したとき、購入費用をその年にすべて経費とするのではなく、年を分けて少しずつ計上すること。
この少しずつ計上される減価償却費は、定額法で計算されます。
たとえば、5,000万円で法定耐用年数が22年の木造アパートを購入すると、減価償却は
5,000(アパートの取得価額)×0.046(償却率)=230万円
230万円の減価償却費を22年間計上できるので、課税額もその分抑えられます。
しかし、当然この法定耐用年数が満了になると減価償却ができず、税金の負担が大きくなるのです。
耐用年数後に備える
法定耐用年数の満了は、アパート経営するうえで大きなタイミングとなります。
ここでは、融資も組めず減価償却もできないなかで、利益を出すための対処法を紹介します。
<対処法①建て替え>
法定耐用年数が満了したアパートは、老朽化により見た目も古いことが多く、入居者を集めることが難しい場合もあります。
さらに、築古アパートは修繕費や管理費などのランニングコストも増加します。
そこで、立地条件から賃貸需要がよいエリアなら、アパートを立て替えるというのも1つの手段です。
時代に合わせた設備などを取り入れ、時代のニーズに合わせたアパートなら、さらに入居者のアップが見込めるでしょう。
<対処法②売却する>
法定耐用年数が終了すると融資も受けづらく、入居率も悪くなる場合が多いので、利益を出しにくいことがあります。
経営に必要な費用と利益のバランスを見て、収益性がないのであればアパートの売却も検討しましょう。
売却する際はローンの残債を考慮しながら、売却を進めることが大切です。
また、もし法定耐用年数が経過している場合は、アパートを解体し土地を売却しましょう。
なぜなら、その場合アパート自体の価値はゼロに近く、また買主としても解体費用がかかってしまうので売却しづらくなります。
法定耐用年数が過ぎたタイミングでアパートを手放す場合は、なるべく更地にした後に売却しましょう。
<対処法③こまめなメンテナンスをする>
法定耐用年数は法律で定められているので変更できませんが、アパート自体の寿命は変えられます。
アパートの老朽化に伴い10年~12年に一度、外壁の修繕など大規模修繕をおこないます。
まとまった費用がかかり大きな負担になるので、日頃から修理できそうな箇所はこまめに直しておくことがおすすめです。
また、アパートを購入した時点から今後の修繕計画を立て、定期的に見直すことで老朽化を遅らせられるでしょう。
<対処法④質が高いアパートを建てる>
アパート経営は、築年数が経つにつれてキャッシュフローが悪化するのが一般的です。
築古のアパートだと空室率も上がりますし、修繕費も増えます。
そのため、法定耐用年数満了の時点でも入居率が高いアパートであれば、利益を出すことが可能です。
アパートの建築時点では、費用をなるべく抑えようと考えてしまいますが、長く稼げる質の高いアパートを建てるという意識も重要です。
修繕費が発生しにくい品質の高い外壁や屋根にすることで、経営を続けるうえで総合的にコストを抑えられます。
<対処法⑤法定耐用年数以内にローンを返済する>
法定耐用年数を過ぎてもローンの返済が残っていては、キャッシュフローを悪化させてしまいます。
そのために、毎年の返済額を減価償却費以内に抑え、節税効果がある法定耐用年数以内にローンを完済することが重要です。
キャッシュフローを悪化させないように、出費が増える満了後に備えることがおすすめです。
まとめ
法定耐用年数とは、その資産を減価償却費で計上できる年数のこと。
アパート自体の寿命ではありませんが、アパート経営の収益性を保つうえでとても重要です。
法定耐用年数を過ぎると、「税金の負担が増加する」「収益性が下がる」などといったデメリットが発生します。
しかし、法定耐用年数の満了は避けられないため、できるだけ満了後のダメージを最小限に抑えることが必要です。
アパートを購入する時から、法定耐用年数を考えることで長く安定した経営につなげましょう。
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