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家賃滞納時の強制退去までの流れ
目次
家賃の滞納が続いた場合、入居者が「強制退去」になる場合はあるのでしょうか。
結論からいうと、強制退去になることはあります。
強制退去になる場合、どのような流れで。
この記事では、オーナ向けに強制退去になるまでの手順などをにご紹介します。
家賃滞納による強制退去への対応
入居者が家賃滞納をする理由は、「振込を忘れていた」、「口座の残高が足りなかった」などさまざまです。
単に忘れていたのならば、滞納していることを入居者に伝えれば、すぐに家賃が支払われるのですぐ解決します。
問題なのは、「連絡をしても家賃が支払われない」ことです。
ここでは、家賃滞納されているときの対応をご紹介します。
<家賃滞納時の対応>
滞納者に家賃滞納の旨を連絡しても家賃が支払われない場合、以下の手順で対応していきます。
1.連絡して1週間以上経っても家賃が支払われない場合、請求書を滞納者に送付します。
ここで送付する請求書の内容は、きつくなりすぎないように、支払いを促す文章にしておきましょう。
2.請求書を送付しても家賃が支払われない場合、滞納者にもう一度家賃支払いを促す電話をかけます。
3.滞納者が電話に出ない場合や、電話で催促をしても家賃が支払われない場合は直接訪問して支払いを催促します。
上記の対応をしても家賃滞納が続く場合、督促状を送付します。
裁判になったときに「督促をした」証明になるので、必ず「内容証明郵便」で送付してください。
督促状の文章は、請求書のときよりも少し厳しくしてください。
督促状には、
・本来の支払い期日
・今回の支払い期日
・期日内に支払いがない場合には連帯保証人に連絡する旨
これらのことを記述しておきましょう。
4.滞納者に督促状を送付しても家賃が支払われない場合、「連帯保証人」にも督促状を送付します。
督促状は連帯保証人にだけではなく滞納者にも、もう一度送付します。
督促状も必ず「内容証明郵便」で送付してください。
また、連帯保証人には事前に電話し、家賃滞納とこれから督促状を送る旨は伝えておきましょう。
ここまでの流れで管理者がとってはいけない行動は、
・滞納者の勤務先への連絡
・玄関やポストに家賃支払い催促の貼り紙をする
・部屋の鍵を変える
・威圧的な態度で支払いについて話す
など、滞納者を追い詰める行為です。
上記のことをしてしまうと裁判になったとき、滞納者から「精神的苦痛を与えられた」など、賠償を求められる可能性があります。
<強制退去の条件>
滞納者を強制退去させるには、いくつか条件があるので確認していきましょう。
・家賃滞納が3か月以上続く
・督促状を送付しても支払う意思がみられない
・管理者との信頼関係が崩れている
これらの条件がそろったときに、初めて強制退去に向けて動くことができます。
しかし、強制退去はあくまでも「最終手段」と考えておきましょう。
家賃滞納による強制退去までの流れ
先ほど挙げた強制退去の条件がそろい、入居者の強制退去に向けて行動を起こすときにはどのような手順で進めるのでしょうか。
ここでは、強制退去までの流れをご紹介します。
<契約解除>
入居者と連帯保証人に督促状を送付しても家賃が支払われない場合、「賃貸仮契約解除」をします。
強制退去に向けて動く前に「最終通告」としてもう一度、家賃の支払い催促の連絡をしましょう。
それでも家賃が支払われない場合、滞納者に「契約解除の書類」を送付します。
<部屋の明け渡し請求の申し立て>
契約解除の書類を送付しても滞納者が退去しない場合、「明け渡し請求」の訴訟を起こします。
明け渡し請求に必要な書類は
・不動産登記謄本
・固定資産評価額証明書
・代表者事項証明書
・証拠書類(これまで送付した督促状の配達証明書等)
ですが、書類だけではなく「収入印紙」、「予納郵便切手」も必要です。
明け渡し請求の裁判では、部屋からの退去、滞納している家賃の請求ができます。
申し立てから裁判開始までは、1か月~1か月半程度かかることが多いです。
もしかすると裁判を続けるなかで、滞納者と「和解」することもあるかもしれません。
そのときには「和解調書」という、裁判の判決と同等の効力がある書類を作成します。
和解後に滞納者が「和解調書」の内容に従わない場合、「強制執行」が可能です。
<強制執行の申し立て>
明け渡し請求をしても滞納者が退去しない場合は、裁判官書記官に「執行文付与」をしてもらいます。
執行文は、簡単にいうと「判決に基づいて執行手続きを進めていいですよ」という承諾書です。
執行文付与されたら、いよいよ強制執行の申し立てをします。
そのときに必要な書類は、
・申立書
・送達証明書
・執行文の付与された判決の正本
・資格証明書
・物件の住所がわかる地図
です。
また、申し立てには費用がかかります。
<退去の要請>
裁判所が滞納者に立ち退きを請求する督促状を送付します。
滞納者はこの督促状を受け取ったら、必ず退去しなければなりません。
それでも立ち退かない場合は強制執行されます。
<強制執行>
居住環境を確認後、住んでいるにも関わらず呼びかけに対しても反応がない場合には、強制的に鍵を開けて室内に入ることもできます。
室内に入り、部屋にある家具や家電などの持ち物はすべて外に運び出し、運び出した荷物はすべて倉庫へ運送します。
滞納者が留守だった場合、部屋に督促状などの書類を置いておきます。
ここまでが「強制退去」までの一連の流れです。
強制執行にかかる費用は弁護士を雇うかなど、方法によって変わってきますが、高額になることが多いです。
この費用は滞納者に請求することができますが、家賃を滞納するほど金銭に困っている場合がほとんどで、支払われる可能性が低いのが現実です。
家賃滞納による強制退去を防ぐ事前対処法
ここまで読んだらわかるように、滞納者が強制退去になるまでには費用も労力もかかります。
できれば未然に防ぎたいですよね。
ここでは、家賃滞納を防ぐポイントをご紹介します。
<入居審査を厳しくする>
家賃の支払い能力があるのか、審査を厳しくしましょう。
家賃は月収の30%までが上限額にするなど、厳しく設定しておくと家賃滞納のリスクを避けることができます。
また、勤続年数も大切です。
勤続年数が1年未満だと短期離職のリスクがあるので、入居者が離職したときに家賃滞納されるかもしれません。
あわせて勤務先も確認しておきましょう。
企業に属しているならば安心ですがフリーターや派遣社員の場合、契約が切れてしまう可能性があるので要注意です。
また、先の読めない自営業のひとは、これまでの収入のわかる書類などを提出してもらい審査しましょう。
しかし入居審査を厳しくすると、入居率が下がってしまうデメリットもあります。
<入居者に必ず連帯保証人をつける>
家賃滞納を防ぐためには、必ず連帯保証人をつけましょう。
なぜなら、家賃滞納されても連帯保証人が家賃を支払ってくれる可能性が高く、スムーズに解決することができるからです。
また、連帯保証人をつける場合、入居者は「親族に迷惑かけたくない」など考え、抑止力となり家賃滞納の可能性が低くなります。
家賃滞納を未然に防ぐためには、連帯保証人をつけるようにしましょう。
まとめ
この記事では、強制退去までの手順などを「管理者向け」にご紹介しました。
強制退去には時間や労力、費用もかかってしまいます。
できれば避けたいですよね。
家賃滞納を未然に防ぐためにも、審査など入居前にできる対策は必ずしておきましょう。
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