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住まいのノウハウ
車好きなら“ガレージハウス”という選択 愛車が主役の家づくりを始めよう
目次
車やバイクが好きな方におすすめの住まいが、ガレージハウスです。
独立タイプ、ビルトインガレージ、リフト付きなど様々な種類があり、車の防犯性も格段に上がるため、「大切な車やバイクを守りたい」「近くで愛でたい」という方にはぴったりですよ。
今回は、ガレージハウスの種類やメリットデメリット、ガレージハウスのアイデア、人気のデザインなどについてご紹介します。
将来的にガレージハウスに住みたいとお考えの方は、ぜひご一読ください。
※この記事ではガレージのある住まいを総称してガレージハウスと呼んでいます。あらかじめご了承くださいませ。
愛車と暮らす!ガレージハウスの種類
車やバイク好きの方から支持されるガレージハウスの種類は、以下の通りです。
・独立ガレージ
家の敷地内にある別棟のガレージ。自宅と直結していないので少々不便ではありますが、騒音などを気にせず愛車のお手入れやカスタムに専念できます。
独立ガレージの場合、既製品を設置するか、建設するかの2パターンから選択することが可能です。
前者はコストが低いですがデザインに幅がなく、後者はコスト高ですが細部まで自身の希望を反映できます。
・ビルトインガレージ(インナーガレージ)
ガレージ(車庫)と住宅が一体となっている物件のこと。1階や半地下に作られることが多く、車の出入りのために大きな開口部が設けられています。
自宅と駐車スペースが直結しているので、利便性は抜群です。
車やバイクの車庫としてはもちろん、倉庫として活用する方もいるなど、汎用性の高さもビルトインガレージの特徴と言えるでしょう。
リフォームで後付けする方もいますが、家の設計時から計画に組み込むケースが多いようです。
・リフト付きガレージ
車をリフトで持ち上げることで、下にもう一台車を駐車することが可能です。
夫婦でそれぞれ車を所有している、もう一台買いたいが置き場所がないという方にもおすすめですよ。
都市部などの狭小地では土地の確保がしづらいため、ビルトインガレージやリフト付きガレージなどを建てるケースが多く見られます。
対して地方は、比較的広い土地を確保できるので、家を建てて同じ敷地内に独立ガレージを設置する方もいるそうです。
ガレージハウス8つのメリット
ガレージハウスのメリットは、以下の通りです。
・"見る楽しみ"を味わえる
ガレージ横にガラス扉のリビングを設けたり、リフトと同じ高さに窓を設けたりすれば、家の中から愛車を眺めることが可能です。
・雨ざらしにならないので劣化速度が遅い
屋根や壁、シャッターなどで守られているので雨ざらしにならず、車やバイクが傷む心配がありません。
また、台風による飛来物が車にぶつかるリスクも回避できます。
・防犯性が高い
屋外駐車の場合、たとえ家の敷地内であっても盗難や損傷のリスクが付きまといます。
しかし、ガレージハウスは車を家の中にしまうのと同じなので、車にいたずらされる心配がありません。
・雨の日や雪の日の荷下ろしがラク
家の中、もしくは敷地内にガレージがあるので、雨の日や雪の日の荷下ろしもスムーズにできます。とくに小さな子どもがいる家庭は助かりますね。
・駐車以外の用途にも使用できる
倉庫、雨の日の子どもの遊び場、バーベキュー、ゴミの一時保管場所など、様々な用途で使用できるのもガレージハウスの魅力の一つ。
庭に出しておくと危ない道具(芝刈り機、スコップなど)もしまえるので重宝しますよ。
・狭小地を有効活用できる
ガレージハウスは、狭小地でも作ることが可能です。
駐車スペースは車幅ギリギリになるでしょうが、工夫次第では車を2台駐車することも可能です。
・駐車場代を節約できる
車の保管場所に月極駐車場を借りている、という方も多いでしょう。
たとえば、月に2万円の駐車場代がかかる場合、「2万円×12カ月×35年(ローン年数)=840万円」です。
ガレージハウスなら貸し駐車場を利用する必要がなくなるので、将来的にかかるだろう駐車場代を節約できます。
・税金が安くなる
ビルトインガレージの場合、面積が住宅の延床面積の5分の1未満なら、固定資産税の緩和措置が適用されます(容積率の緩和措置)。
固定資産税を安くできるので、住宅維持にかかるランニングコストを削減できます。
ガレージハウス5つのデメリット
ガレージハウスのデメリットは、以下の通りです。
・敷地or敷地前の道路の広さが必要
敷地が広ければ問題ないのですが、狭い敷地にガレージハウスを建てる場合、敷地前の道路(前面道路)が多少広くなくては建築が難しくなります。
もしも道路に対して直角に車を駐車する(ガレージに入れる)なら、道路幅は6mほど必要でしょう。
さらに、交通量の多い道路に面している場合、車の出し入れそのものが困難になることが予想されるため、一定以上の運転技術が求められます。
・工法(建て方)が限られる
ガレージハウスは家の土台となる1階部分に大きな開口部を設けるので、モノコック構造(耐力壁の面で家を支える作り)では強度の面で不安があります。
また、2階建てや3階建てにする場合はガレージの上部にも負荷がかかるため、ラーメン構造(柱が梁に強力に接合された作り)のように強固な工法を選択する必要があるでしょう。
ただし、どの業者でも施工が可能というわけではないので、依頼する業者の精査は慎重に行ってください。
・様々な設備が必要なのでコスト高
ガレージハウスには、照明やコンセント、換気扇など様々な設備が必要です。
そのため、コスト高になりやすく、思った以上に費用がかかる可能性があります。
どんなガレージハウスにするのか、絶対に譲れない設備は何かなどをよく考えて、業者と相談しながら希望に近づけることが大切です。
・間取りの自由度が低くなる
自宅にガレージを設けると、間取りの自由度が低くなります。
というのも、家の中に車やバイクをしまうということは、発せられる騒音も一緒に抱え込むということ。早朝や深夜に車を出し入れすると音が響き、家族の睡眠を妨害するおそれがあります。
寝室のように静けさを必要とする部屋の場合、ガレージとの隣接は難しいでしょうから、必然的に間取りの自由度が低くなってしまうのです。
とくに狭小地の場合、住宅の1階部分がほぼガレージになり、リビングや寝室などの生活に必要な部屋を2階以上に作ることになるかもしれません。
居住空間が狭くなるほか、使い勝手が悪くなる(家事動線が悪くなる)可能性もあるため、設計段階から家族でよく話し合うことが大切です。
・広さによっては税金が割高になる
上記にて、ガレージの面積が延床面積の5分の1未満なら固定資産税が安くなると述べました。
しかし逆に言うと、ガレージの面積が住宅の延床面積の5分の1を超えるとその部分には緩和措置が適用されず、固定資産税が高くなるということです。
固定資産税対策を念頭に置くならガレージの広さを慎重に決める必要がありますが、そればかりにとらわれていると希望のガレージハウスはできません。
ときには割り切りも必要なので、譲れるポイント、譲れないポイントをリストアップして業者に相談しましょう。
※延床面積については、以下「ガレージの法規制!建ぺい率と容積率について」をご一読ください
ガレージハウスを建てる際のポイント
ガレージを建てる際は、使いやすさを考慮することが大切です。
広さはどれくらいにするのか、車から降りて家に入るまでの動線がスムーズか、車と壁の間隔は十分に取れているかなどを、設計段階からしっかり考えましょう。
また、ガレージに設置したい設備についても吟味してください。
コンセントや水道、照明、排気ガス対策の換気扇、防音設備、シャッター、収納などはもちろん、人によってはエアコンや断熱設備なども必要でしょう。
人によってガレージ求めるに設備は様々です。
理想を形にするためにも、どのようなガレージにしたいのかを考え、それをまとめておきましょう。
さらに、ガレージの広さを決める際は、現在乗っている車だけでなく、将来的に乗り換える車のサイズも考慮してください。
現在所有する車が軽自動車の場合、それに合わせてガレージを作ると乗用車などに乗り換えた際にガレージに入らない可能性があります。
ドアを開けるのにも一苦労ということになったら、出かけるのが億劫(おっくう)になってしまうかも…。
せっかくのガレージが無駄になってしまうので、可能な限り余裕を持った広さを確保するように心がけましょう。
なお、平均的な日本車の全幅は1.48~1.87mほど。ドアの開け閉めをラクに行いたいなら、幅3.5m、奥行き6mは確保しておきたいところですね。
ガレージハウスのドアの種類
車や道具などをしまっておくガレージには、セキュリティのためにもシャッターをつけておくと良いでしょう。
シャッターにはいくつかの種類があるので、以下にてご紹介します。
・巻き上げ式シャッター
一般的なチェーンを使って巻き上げるシャッターです。
開閉時の音が大きい、開閉するスピードが遅いという欠点があるため、深夜や早朝に出入りすることが多い、住宅地が密集しているエリアに家を建てるという方にはあまりおすすめできません。
ただし、重いシャッターもラクに巻き上げられますし、設置場所を選ばないという利点があるため、上記にあてはまらない方には重宝するでしょう。
・ベルト式シャッター
チェーンではなく、ベルトで巻き上げるシャッターです。
音は静かですがパワーが弱いので、重いシャッターの巻き上げには向きません。
・オーバースライダー式シャッター
天井に設置したレールに沿うように、スライドしながら開閉するシャッターです。
音が静かで、重いシャッターでもラクに開閉できます。
ただし、レール設置のために下り壁(さがりかべ)が必要になることから、天井の高さの確保は必須条件と言えるでしょう。
シャッターには手動と電動がありますが、後者は雨の日も濡れずに家に出入りできるのでおすすめですよ。
とはいえ、開閉に多少時間がかかるといったデメリットもあるので、家族でよく相談した上で決めましょう。
ガレージハウスのアイデア5選
ガレージハウスを建てる際は、実際に住んでみたときを想像しましょう。
・リビング横にビルトインガレージを作る
リビング横にビルトインガレージを作り、ガラス窓で仕切れば、いつでも家の中から愛車を眺められます。
さらに、ガラスの仕切りを外せるようにすれば開放感のある一つの空間になります。
ガレージにいながら、リビングの空間も同時に楽しむ。
家族と過ごす時間を大切にしたい方にはぴったりでしょう。
・ホビールームのようなガレージにする
車やバイクに関連するものだけでなく、趣味で集めているフィギュアやステッカー、おもちゃなどを飾って、ホビールームのようなガレージにするのも良いでしょう。
アメリカンやパンクロックなど、ある程度テイストを統一すると、まとまりが出てより素敵になりますよ。
・ピクチャーウィンドウでギャラリー気分を味わう
ガレージと隣接する部屋にピクチャーウィンドウを設ければ、まるでギャラリーのような空間に仕上がります。
写真や絵画を楽しむように家の中から愛車を眺める時間は、きっと特別なものになるはず。
家を訪れる友達や趣味仲間へのサプライズにもなるので、興味のある方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
・書斎とつなげる
1階にガレージと自身の書斎を設置し、それらをつなげれば、まるで秘密基地のような特別な空間を演出できます。
愛車を眺めながら書斎で過ごす休日なんて素敵ですね。
・人が集まれる空間にする
リビングや寝室などの生活する空間を2階以上に設け、1階全体をビルトインガレージにすると、広々としたガレージを作れます。
車やバイクだけでなく、テーブルやベンチ、ハンモックなどを置けば、家族や仲間とくつろげる空間になりますよ。
ガレージの人気デザイン5選
ガレージは、どのようなデザインにするかで印象がガラッと変わります。
住宅との相性も考えながら、長く愛せるデザインを選んでみましょう。
以下は、ガレージの人気デザインです。
・和モダン
伝統的な和の美しさと、現代的な感覚を融合したスタイル。木や竹、石などを取り入れることで日本らしさを表現します。
ほっと息のつける落ち着いた空間に仕上がりますよ。
・モノトーン
黒、白、灰色などの無彩色は、落ち着きのある印象を与えます。とくに黒は重厚感や高級感、モダンな印象を与える色なので、ガレージとの相性は抜群です。
とはいえ、すべての色を黒一色で統一してしまうと圧迫感が出てしまうことも…。
その際は、白や灰色を入れて明暗を出したり、一色だけ有彩色を入れたりして、バランスを整えましょう。
・アメリカンヴィンテージ
アメリカンヴィンテージは、無骨でかっこいい印象を与えると同時に、木のやさしい温もりも感じられるデザインです。
アメリカンカルチャーが好きな方にぴったりのデザインですよ。
・インダストリアル
インダストリアルとは「工業的」という意味。むき出しの配管やコンクリート打ちっぱなしのように、工業製品ならではの武骨さとユーズド感が特徴的なデザインです。
クールな印象を与えるため、無機質かつ機械感が強いガレージにもマッチするデザインと言えます。
・ショーケース風
ディーラーや展示場のように、ガラス越しに車やバイクを眺められるデザインのこと。都会的で整然とした印象を与えます。
ガレージにもかかわる!家を建てる際に知っておきたいこと
ガレージハウスを建てるなら、延床面積や建ぺい率、容積率についての理解は欠かせません。
以下にて、延床面積、建築面積、施工面積、敷地面積、建ぺい率、容積率についてご紹介します。
・延床面積
建物の各階の床面積の合計。2階建て住宅なら1階と2階の床面積の合計が、同様に3階建てなら1階と2階と3階の床面積の合計が該当します。
広々とした家に住みたいなら面積を広くするのが手っ取り早いですが、その分費用がかかるので住宅の価格も高くなります(=固定資産税が高くなる)。
なお、費用さえまかなえれば家を大きくできると思いがちですが、建てる地域によって一定の制限(建ぺい率+容積率)が設けられています。
・建築面積
建物を真上から見たときの外周で求めた面積のことで(水平投影面積)、建坪とも呼ばれます。
一般的な2階建て住宅の場合、1階と2階のうち"広い"ほうが建築面積です。(大体1階部分の面積が該当する)。
・施工面積
延床面積に含まれない部分の面積。吹き抜けやバルコニー、ロフト、ガレージも施工面積に含まれます。
※バルコニー:外壁からの出幅が2m以下の部分
※ロフト:天井高1.4m以下、ロフト階面積の2分の1以下、はしごが固定されていない
※ガレージ:延床面積の5分の1未満なら緩和措置あり
・敷地面積(土地面積)
真上から土地を見たときの投影面(水平投影面積)を指します。
斜面にある土地は、実際の面積よりも土地面積が小さくなることも…。
・建ぺい率(建蔽率)
敷地面積に対する建築面積の割合。たとえば、建ぺい率が60%と定められている地域は、100㎡の敷地に60㎡までの建物を建築することが可能です。
・容積率
敷地面積に対する住宅の延床面積の割合のこと(容積率=延床面積/敷地面積)。
たとえば、容積率が100%とされる100㎡の敷地に1階60㎡、2階40㎡、合計100㎡の建物を建築することは可能ですが、容積率が100%を超えると違反建築物になります。
ガレージを作る際、以下の条件を満たせば建ぺい率と容積率の緩和が適用されることがありますが、自治体によって異なる場合があるので必ず確認しましょう。
<建ぺい率の緩和条件>
外壁のない部分が4m以上連続
天井の高さが2.1m以上
柱の間隔が2m以上
地階を除き、階数が1
上記を満たせば、ガレージの柱から1mまでは建築面積に含まれません。
<容積率の緩和条件>
延床面積の5分の1
上記を満たせば、ガレージの床面積は全て除外して計算できるので、余分な税金がかかりません。
ガレージハウスには規制がいっぱい?内外装の規制
ガレージハウスを建てる際、ガレージの内装・外装にも以下のような規制があります。
・内装は防火材料でなければならない
木造住宅や、木材を多量に使用する住宅の場合、ガレージにも木材を使って統一感を出したいでしょうが、木材を使用していいのは天井および壁の面積の10分の1以内と決められています。
できるだけ木の質感を見せたいという場合は、設計段階で業者に相談してみましょう。
・防火地域+22条区域では外装も防火性能を備えなくてはならない
防火地域、準防火地域、22条区域(建築基準法22条指定区域)では、火災が発生した際の延焼防止のために、外装に防火性能を備えるよう義務付けています。
該当する地域では、ガレージの外壁や屋根の材料に注意しましょう。
まとめ
ガレージハウスと言っても、独立ガレージやビルトインガレージ、リフト付きガレージなど種類は様々です。
デザインを考えたり住居部分と融合させたりと、アイデア次第では何通りもの楽しみ方ができるので、自身の希望を存分に反映したガレージハウスを建築することも可能ですよ。
大切な愛車と暮らすなら、車が主役になれるガレージハウスがぴったり。
次の住まいを検討する際は、心ゆくまで愛車を堪能できるガレージハウスを選んでみてはいかがでしょうか。
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