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不動産投資に不安を感じる方へ 不動産投資の主なリスクまとめ
目次
不動産投資は高所得者がするもの。
という考えも、今は昔。
東京都内でのマンション一棟買いは億の単位がほとんどですが、区分所有で一室のみ、特に単身向けのワンルームの場合、中古であれば数百万円で一括購入が可能な物件もあります。
「ローンを完済すれば、家賃収入がそのまま年金のように収入になります」
「銀行に預けていてもゼロ金利、不動産投資は高利回りです」
広告や営業の言葉は、正直なところ耳障りのいいものばかり。
老後の資金も心配だし、銀行に預けておいても増えないし、かといって株やFXも元金割れが怖い。
とはいえ、不動産投資はどうなのか……。
投資には「リスク」がついてまわります。
今回は、不動産投資とそのリスク、リスクヘッジについてご紹介します。
不動産投資はリスクが高いのか
「自分自身がまだ賃貸暮らしなのに、不動産を買う、まして投資するなんて。」
そんな風に考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、新聞広告、ネット広告、職場への営業電話、ポスティングされるチラシ。
不動産投資のワードは、気にしてみると我々の生活のあらゆるところで目に耳に入ります。
数年前と比べても、想像できないほどの低金利。
その点だけでも、不動産投資が行いやすくなっている、というのはありそうです。
金利ほぼゼロ%時代
ローンの金利、10年固定や35年固定などに大きく関係する、長期金利(10年物国債利回り)、変動金利に影響する短期金利。
今、共に、ゼロといってもいいぐらいの低金利です。
不動産投資はもちろん、投資そのものが怖いから、金利がつかなくてもいい。
普通預金かタンス預金でコツコツ貯めるよ。
そんな方も、いらっしゃるかと思います。
でも現金で持っておくことが100%安心でしょうか。
確かに元本割れは起こしません。
でも、インフレーションが起こった場合、貨幣価値が下がり、モノの値段が上がります。
10万円で変えたものが、20万円になる時代が来たらどうでしょうか。
インフレーションの指標の一つである消費者物価指数は、2017年10月現在、2015年比で0.2%。
不景気だ不景気だと言われてはいますが、1%を切ってはいるもののプラスの値です。
20年後、30年後、その先、今と比べてどうなっているのか、
現金で持つことが、むしろリスクとなるのかもしれません。
一方、不動産はインフレーション・デフレーションと共に価値も変動します。
貨幣価値が上がれば、不動産の価値も上がります。
この点に関しては、不動産投資はリスクではないといえます。
不動産投資のリスク
不動産投資のリスクのうち、大きいといわれるのは、空室リスク、滞納リスク、金利上昇の3つです。
空室・滞納は、そもそも見込んでいる収入がなくなるのですから、大きなリスクです。
ローンを組んでいる場合は、ただお金が出ていくだけになってしまいます。
金利上昇リスクは、読みにくいものです。
現在は低金利ですが、アメリカはトランプ政権に代わって以降、金利の上昇が続いています。
日本はこれに続くのか、低金利を維持するのか、専門家でも意見が分かれています。
その他のリスク
他にも、不動産投資には資産価値の下落や家賃下落のリスクもあります。
周辺の建物や施設などが変わって資産価値が変動する、室内外の設備が古くなり家賃を下げざるを得ません。
当然、築年数は増える一方。
リスクを考えれば、いくらでもあげられる不動産投資。
だからといって、不動産投資はハイリスク、と決めつけてよいものでしょうか。
一概にそう言い切ることはできません。
リスクがあるなら、対策を考えてみましょう。
リスクヘッジとは
ヘッジは回避の意味があります。
リスクヘッジとは起こりうる様々なリスクを回避したり、リスクを被ったとしても軽減したりするように工夫することを指します。
では、不動産投資に絡む様々なリスクを回避するために何を行えばいいのでしょうか。
不動産投資のリスクを回避するために
空室リスク
空室は収入がなくなってしまうのですから、大変なリスクです。
長期間入居者がいなければ家賃を下げなければいけないかもしれませんし、ローンの返済もままなりません。
リフォームをして部屋の魅力を高める必要があるかもしれません。
どれもお金がかかることばかり。
ですから、そもそも入居者にとって「魅力的な物件」に不動産投資する必要があるのです。
人口減少時代とはいえ、学生や社会人の若者が多く集まる東京23区。
23区内で、駅まで徒歩10分以内、が一つの目安となります。
また、駅も新宿、池袋、渋谷、東京などのターミナル駅や、ターミナル駅まで乗り継ぎ無しで行ける駅がさらにオススメです。
また、実際に購入物件周辺の賃料価格も調べましょう。
価格設定はどの程度にすべきか、その価格でローンの返済は可能かどうか。
場所と価格、入居者にとって魅力的に映るかどうか、考えながら不動産投資を行いましょう。
滞納リスク
家賃の滞納、これも収入がなくなる上に入居者はいるわけですから、大きなリスクです。
滞納しているからと、すぐに出ていってもらうのもなかなか難しいのだとか。
滞納リスクに関しては、賃貸管理会社にお願いするようにしましょう。
難しい入居者に対して、どう対応すべきか、どう交渉すべきか。
ノウハウを持っているのは、やはり管理会社です。
そして、不動産投資を行う際は、滞納保証がある管理会社を選ぶのも手です。
契約の際に、連帯保証人や保証金を付けるという対応策もありますが、確実性が高いのは家賃を保証してくれる滞納保証です。
滞納が発生したその月から保証するのか、保証期間はどのくらいかなど保証にも種類がありますから、じっくり考えてみましょう。
金利上昇リスク
現金で一括購入できればよいのですが、不動産投資は初期費用が高額な投資ですから、ローンを組む方も多いでしょう。
低金利だからといって借りられるだけ借りるのも、もちろんリスクとなります。
当分、低金利は続くだろう、と言われてはいますが、金利が上昇しないと言いきることはできません。
ある程度の金利上昇を見込んだうえで、返済プランを立てましょう。
家賃収入と返済、修繕リスクなどを織り込んだうえで、信頼できる管理会社の方と、じっくりプランを練ることがリスク回避となります。
資産価値下落・家賃下落リスク
建物についてまわるのが経年劣化の問題です。
流動性が高いワンルームマンション入居者にとって、人気なのはやはり築浅物件です。
でも、築年数が経っているから魅力的な物件でないとは、一概に言えません。
駅から徒歩5分の物件でも、駅からの帰り道が薄暗かったり、買い物をできる場所がなかったり、踏切がいつまでも開かなかったり。
そのような物件で、自分が生活すると考えた時にどう感じるか、も重要です。
ターミナル駅への時間や乗り継ぎの有無なども重要ですが、物件周辺の環境、商業施設の有無、動線などなど。
利回りや数字だけを追うことなく、感性を大事にすることで、資産価値の下落リスクを回避することも可能です。
また、オートロックや宅配ボックスの有無、複製の難しいディンプルキーやカードキーなどを使用している、などの利便性・安全性もポイントです。
室内設備でも、バス・トイレが別か否かは大きな問題です。
中古マンションを購入した場合、バス・トイレが一体となっている3点式ユニットバスをリフォームで別にするなどの対処も有用と言われています。
不動産投資の対象とはいえ、実際に入居して住むのは同じ人間です。
実際に、あなたが住みたい街か、物件か、室内設備か。
築年数だけでははかれない、住みやすさ、も非常に重要な指針です。
これを意識して、資産価値下落・家賃下落へのリスクを回避しましょう。
金利以外にも…
不動産投資をして収入を得ると、確定申告を行う必要があります。
家賃収入のほかに、修繕積立金、固定資産税、初年度は登記費用や不動産取得税など様々な経費を申告します。
最初にかかる金額以外は、大体毎年同じ金額になりますが、変わってくるのが減価償却額。
これは建物の耐用年数や住居の種類によって掛け率が変わり、年々減ってきます。
つまり、建物が立ってから年数が経過すると減価償却が少なくなり、確定申告をする際の利益が大きくなります。
家賃収入が同じであっても、これでは新築時より所得税が多くなるのです。
ローン返済はこの所得税を払った残りの利益で払うことになりますから、ローンを組む際には忘れずにプランを練ってリスクヘッジを行いましょう。
地震によるリスク
日本に住む以上、必ず想定しておかなければいけないのが、地震を始めとする天災に関するリスクヘッジです。
地震リスク
不動産投資するならば都心23区を狙え、というのはご存知の通りです。
では、東京都の地震リスクはどの程度かご存知でしょうか。
2015年政府の地震調査委員会が公表した値があります。
新宿区にある東京都庁の周辺で今後30年以内に震度6弱以上の地震が起こる確率は、46%だそうです。
同じ調査での横浜市の値は、なんと78%。
横浜と比べれば、まだ東京は安全、なんてことはありませんよね。
東京と横浜の距離を考えれば、横浜が震度6弱以上の揺れであるなら、都心も相当な揺れに見舞われる確率が高いといえます。
不動産投資を行う期間を考えれば、30年というのは現実的な数値。
しかも、30年後でなく、明日起こっても不思議ではないのが地震です。
また、関東大震災では隅田川周辺のいわゆる下町で大火災が発生、火災旋風と呼ばれる竜巻のような火が町中を覆い、大きな被害が起こりました。
一方西側にあたる山の手地区は被害が少なく、安全といわれていますが、実際は当時住む人が少なかったという話もあります。
山の手地区は安全、とは一概には言えません。
東京は人口の増加により、川や水路を暗渠にし、また数十年前は田畑だった土地に建物を建ててきた街でもあります。
不動産投資を行う際は、鉄筋コンクリート造りか、耐震性はどうかなどを見るのはもちろん、周辺の建物も意識しましょう。
昔ながらの木造家屋、木造アパート、築数十年のビル、高架、そして土地の由来などなど。
人が多いということが空室リスクを下げる一方、その人の多さが様々なリスクにもなりうる東京、リスクヘッジのために下調べは重要です。
地震保険
いくらリスクヘッジをしたとしても、起こるときには起こる地震。
不動産投資を行うのであれば、地震保険はしっかり考えるべき保険です。
一口に保険を掛けるといっても、どこまで補償してもらうかは大きな問題です。
1500万円で購入した物件が地震で全壊したのであれば、新築には同額かかります。
しかし、保証金額が大きければ大きいほど、保険金も高くなり、経費としてのしかかってきます。
また、不動産投資の場合、「新価」と「時価」の違いも重要です。
新価とは、今投資している物件と同じものを新築する際にかかる金額、時価とは投資物件の現在の価値です。
つまり、20年前に1500万円で購入した物件は、物価が上昇していることで同等のものを建てるのであれば2000万円かかるとします。
これが新価、2000万円です。
一方、20年前1500万円の物件は、経年劣化などで1000万円に価値が下がっているとします。
これが時価、1000万円です。
地震で投資していた建物が倒壊した、となれば、新しい建物が必要になります。
つまり、この時必要なのは、1000万円ではなく、2000万円となるのです。
このことから、保険金を掛ける際は、時価ではなく新価で考えたほうがよい場合もあります。
手元資金、運用する資金も視野に入れ、どこまでを補償するか、リスクとの兼ね合いを考えて、保険も選びましょう。
火災リスク
地震同様、保険が必要と思われるのが、火災リスクです。
起こらないに越したことはありませんが、不動産投資をする側としては、見過ごすわけにはいかないリスクです。
地震保険と同様ですが、保険を掛ける際、ローンが残っているときはその残債も考えて保険金を決めましょう。
ローンが残っているときに損傷はもとより全壊・全焼などということになれば、ローンに加えて建て替えなどの新規の費用まで発生することになります。
まとめ
不動産投資に対するリスク、そのリスクヘッジについて、いくつか例を挙げてきました。
リスクを回避すれば、家賃収入という現金が毎月入ってくるだけに、魅力的な投資先です。
そして衣食住という言葉が表現する通り、住は人間が生活を送る上で必須の要件。
人が住まう場所というものは、いつの時代でも必ず必要なのです。
我々が年金を貰うころには、何歳からもらえるのか、どれだけ金額が下がるのか先行きは不透明です。
投資の中でも、不動産投資も一つの選択肢として、より身近になってきているのかもしれませんね。
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